人生意気に感ず「休戦は続けねばならない。変化した国際世論の力。地縄自縛の反スパイ法」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「休戦は続けねばならない。変化した国際世論の力。地縄自縛の反スパイ法」

◇この世の地獄とはガザの極限状況に違いない。病院への無慈悲な攻撃で無数の小さな命が連日失われていく。イスラエルを非難する国際世論は一気に高まった。ガザの病院の医師は訴えた。「なぜこれ程人の道に外れたことが出来るのか。攻撃で外に出られない。電源を失い保育器が機能せず生まれたばかりの赤ん坊の泣き声が暗がりで小さくなっていく」。看護師たちは叫んだ。「生きて、生きて」。イスラエルの行方が自衛権行使と離れていることは明らか。ナチスのホロコーストを生き抜いたユダヤ人が今やっていることはかつてのナチスと同じではないか。国際世論の基底にはこの感情があるに違いない。22日の戦闘休止の合意の背景である。国際世論の変化に押されて米政権も大きく変化し動いた。老練のバイデン大統領は81歳とは思えない動きを示した。

 イスラエルのネタニヤフ首相を抑えられるのは米政権のみである。バイデン氏の執拗な外交努力は高く評価されてしかるべきだ。

◇今回解放されたのは子ども・女性・持病のある高齢者が中心である。合意成立直前、小さな命を救った救急隊員の行動が報じられている。31人の赤ちゃんをガザ南部の病院に移したパレスチナ赤新月社の隊員たちである。砲弾が飛び累々とした死体の中を人々は必死で動く。泡を吹く赤ちゃんの泣き声は弱々しい。31人を助けられた。この子たちの未来を思う。

 21日の合意を更に発展させねばならない。合意を作った人々の姿を連想する。そのテーブルはハマスとイスラエルの戦争、そして無数の人々の運命がかかった戦場である。一つ一つの仮題について議論を重ね成果を積み重ねていったに違いない。24日、196台の支援トラックがガザ地区に入った。交渉の貴重な成果である。ネタニヤフ首相は戦争を続けハマスを壊滅させると強調している。しかし、今回の合意の結果はとにかく休戦が可能であり、命の綱である196台のトラックの搬入が可能であることを示した。これを元に戻して再び地獄と化すことは国際世論が許さない。国連はじめ全世界が許してはならない。

◇私は最近天安門で反スパイ法の恐怖を直接体験したが、この法律の影響が非常に大きいことを知った。外国人が企業活動を控えるのは当然だからだ。一方中国の経済状況は深刻だから外国の企業を誘致したい。自縄自縛の面がある。非公開不透明な手続きで牢獄へ送られる恐怖は想像を超える。中国は目に見えるかたちで外国人を安心させるために手を打たねばならないだろう。(読者に感謝)