人生意気に感ず「新聞人と話す。パラリンピックの背景。橋下現象と民主主義の危機」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「新聞人と話す。パラリンピックの背景。橋下現象と民主主義の危機」

◇大学時代の友人H君が紹介したい人がいると言い出して何年か過ぎた。今年は、年賀状に「実現しましょう」とあった。宿願の中馬(ちゅうまん)氏との会見は信濃毎日新聞社の一室で行われた。H君は不自由な足を引きずりながらその友人O氏を伴って大阪から駆けつけてくれた。3人は、かつて、朝日新聞で活躍した同志であった。

 H君の足は脳梗塞の後遺症を示す。倒れた時は俺の人生も終わりと思ったそうだが不屈の闘志で立ち上がった。駒場寮時代の懐かしい出来事も話題になった。

 新聞人の話題は豊富で面白かった。席を移して、イタリア料理を楽しみながら話は尽きない。パラリンピックについて、へえーと思う話があった。伝聞として紹介しよう。

 パラリンピックの選手にはチェルノヴィリの被災者が何人もいる。事故は1986年だから、26年が経過した。その後に生れた子どもも20歳をこえる。手足が奇形な子どもで捨てられたりして孤児院に入りそこから養子に出される子がいるという。引き受け手はアメリカ人が多い。アメリカは偉いところがある。キリスト教をバックにした人道主義だろう。養親は、自律のためスポーツまで身につけさせる。日本人には、なかなか出来ない。こんなことが話題になった。

◇私の近況が聞かれ、楫取素彦に打ち込んでいることやつい最近中国を訪問した感想などを話した。「楫取素彦読本」を渡すと新聞人たちは、頁をめくりながら、奴隷船マリア・ルス号事件も出てますね、とか、楫取は、廃娼運動をやったのですかなどと興味を示していた。

◇群馬で「維新」の動きはどうですかと始まり、橋下現象が話題になった。2人は大阪なので、大阪の空気をたずねると、ヤツはヤバイ、過激な発言が大衆に受けている、心酔派と大嫌い派と両極端だ、選挙の当選目当てで近づく政治家が多い、ヒットラーの時に似ている。こんな発言を聞きながら私も同感であった。

 橋下徹の実態はよく分らないが、外交、経済、原発等問題山積状態の中、大変な政治不信が渦巻いている。多くの国民は、決められない政治と閉塞感から抜け出したいと願っている。こんな時、過激なアジテーターに国民が動かされるのはうなずける。私もヒットラーの出現時と似ていると思う。その意味では民主主義の危機である。総選挙が近づいた感じだ。選挙は民主主義実現の重要な手段だが、選択肢が限られていることが民主主義の危機を増幅させる。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、「楫取素彦読本」を連載しています。