人生フル回転「興南の快挙は沖縄の力。道路が発電所。臓器移植」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生フル回転「興南の快挙は沖縄の力。道路が発電所。臓器移植」


◇「高邁自主の鐘が鳴る」。興南高校の校歌の一節である。歌う球児たちの黒く日焼けした表情には歴戦を克服して目的を達した若者の誇りと自信が現われていた。「あちらの方角が沖縄ですが、沖縄の人たちに一言」とインタビューの記者が球場の一角を指しながら感想を求めると、我如古(がねこ)キャプテンは、「沖縄県民が勝ち取った勝利です。ありがとう」と直ちに応じた。スタンドの大応援団のどよめきがその声にこたえた。沖縄勢が春夏連覇を達成した歴史的瞬間の光景であった。

◇沖縄の興南が全国制覇を達成し参加した4028校の頂点に立った事には特別の意味がある。

 先の太平洋戦争で沖縄は民間人を巻き込んだ戦場となり多くの犠牲者を出した。戦後も長くアメリカの支配下におかれ、やっと日本に復帰した現在も基地問題に悩んでいる。まだ、戦争は終わっていないと考える沖縄県民は多い。

 同じ日本なのに沖縄だけが差別されていると多くの沖縄県民は感じている。そんな沖縄県民の感情が球児たちを後押しした。炎暑で苦しむ夏だが、興南の快挙はこの酷暑を吹き飛ばす炎だった。

 我喜屋(がきや)監督は、約束事を守れ、小さなことでも全力でやれと教え続けてきた。そして、「小さなことを積み重ねたちびっ子が大きなことをやってくれた」と振り返っていた。

 現代の青少年の軟弱さや無軌道ぶりが言われているが、今年の高校野球を見る限り、日本の青少年は健全な力をもっていると感じた。

◇朝のテレビが、道路にソーラーパネルを敷き詰めるというアメリカ市民のアイディアを報じていた(23日)。凄い発想法だと感心し驚いた。言われて見れば誰でも思いつきそうな簡単なアイディアである。

 アスファルトのかわりに発電の部品を道路に敷く。電柱などは不要で、近くの家に電気を供給できる。材料となっているガラスの耐久性を高めることが一つの課題らしい。

 今、地球上のどこでも異常気象の恐怖に怯えている。CO2との関連が指摘され、CO2の削減とクリーンエネルギーの開発が地球的課題となっている。太陽光は、クリーンエネルギー源の代表格だが、それを道路で受け止めるというアイディアが面白い。今後、アメリカ国内で実用化されれば世界に広がるだろう。

◇家族の承諾で臓器を提供する3例目が報じられた。私が注目したのは、家族の動機である。「体の一部がどこかで生きていてくれたらうれしい」と語っている。こういう発想は今後広がるかも知れない。家族のうち誰が承諾するかという問題は歯止めとして重要である。(読者に感謝)


☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています。