ご無沙汰でございます。
しばらく読書をお休みしていました。
それというのも、まぁごにょごにょありまして、
とにかく今は、持てる時間の全てをそちらにつぎ込もうかと思ったからでして・・・。
生きるって本当にシンドイなぁと思う。
苦しみが和らぐことはあっても、それはマイナスにちょっとプラスが足されただけで、
マイナスであることに変わりはない。プラスになることは絶対ない。
本当に、どうしてこんなにシンドイんだろうと、みんなこんなにシンドイのを頑張って頑張って生きているものなのか、
それとも実は皆さん結構ハッピーに生きてらっしゃるのか、私はそれを世間に問いたい。
ずっと疑問だったのは、人間って、自殺するまではすごい頑張れ頑張れ言われる。
でも自殺したとたん、もっと何かしてあげられることがあったんじゃ、とか言い出す奴がいる。
その線引きって何さ。
頑張って生きてるときは散々蔑ろにされて、
もう駄目だって止めてしまったときに初めて労わられる。
ホントアホみたいだ。
鬱病の人がもし職場にいたら。
毎日遅刻してでも会社に来てるときには「もっと頑張れ」って言って、
ついに辞めてしまったら「もっと何かしてあげられたかも」と言う。
人間って、自分に害が及ばなくなって初めて人を労われるんだろうか。
死なす手前で、つまり誰の目から見ても客観的なダメージを確認せずとも、
自己申告の痛みを信じられる人になりたい。
閑話休題。
つまりごにょごにょというのは本当に働くのが嫌になってしまって、転職を考えてたのでそのための勉強をしていました。
でもそちらも煮詰まってしまった。
仕事しないと生きていけないけれど、納得できる仕事をするのは本当に難しい。
自分が良いと思えないものに力を貸したくはないし。
あぁ働きたくない、でも次に考えていた職もあんまり良くないかも・・・と行き止まりに突き当たってしまって、
やっぱり私が立ち戻るのは読書とこうして文章を書くこと。
それしか出来ることってないんだろうと思う。
なので、久しぶりに書評を書きます。
随分前に読み終わっていた本ですが、こちら。
- 新宿二丁目のほがらかな人々 (角川文庫)/著者不明
- ¥500
- Amazon.co.jp
これはですね、本当に面白いです。
なんでこんなに面白いんだろうと思って考えてみたんですが、
多分理由は2つ。
1. 自分の中のゲイへの理解がひっくり返されまくる。
2. 皆さん普通にすごい方々。
1.については、もともと私はセクシュアリティーとかジェンダー問題に興味があるのですが、
正直ゲイの友達がいるわけでもないので(バイの知り合いはいますが)、
ゲイの実態ってよく知らないのです。
しかし俗にBLと呼ばれるボーイズラブものは大好きなのです。(あ、こうゆうのって普通に公言していいもの?)
その理由はBLの持つ他には絶対ない魅力によるのですが(普通の男女の恋愛ものよりよっぽど面白いものが多い)、
それはまた別の話として、
そんなわけでゲイのことを全く知らない私としては、その実際の事情がとにかく興味深い。
この本はジョージさん、つねさん、ノリスケさんの3人のゲイの方のトークをまとめてあるのですが、
ジョージさんとつねさんは恋人同士です。
で、つねさんが奥さんと紹介されているのですが、
なんかこう、二人の会話を呼んでても、恋人と恋人ってだけで、奥さんと旦那さんっていう役割分担が、
どうゆう基準によってなされているのか全然分からない。
また、ゲイの人って男だからとか、女だからとか、ジェンダーで人を見ることは無いのかなって思っていたんですが、
そんなことも全然無い。
むしろ男と女の違いについてかなり明確な定義を持っているようにも思える(それはもちろん差別的視線とは別の意味で)。
ありゃー!ゲイってますます不思議!と思いました。
2.については、皆さん普通にすごい方なんです。
ジョージさんは実業家で、つねさんは画家で、ノリスケさんはデキるサラリーマン。
だから繰り出される会話も当然レベルが高い。
遊び方とか、人生における考え方とか、参考になることばかりです。
なんていうかつまり、普通にビジネス本読んでいるくらい、というか断然それ以上に勉強になったりします。
一番「ほほぉ~」と思ったのは、
宿泊先のホテルで昨日は大丈夫だったシャワーが今日は出なくなっていたときに、ホテルの人にどう伝えるかという話。
ここでは英語と日本語の性質の違いとか、
その言語がどのような文化背景を背負っているかを説明するために使われている状況なんですが、
英語と日本語で伝え方が全然違う!
でも確かに英語ならそう伝えた方がナチュラルだし、日本語だとこっちよねーと頷けるものがあって、
やっぱりスゴイ・・・と思いました。
気になる方はぜひ読んでみてくださいまし。
ちなみにほぼ日 の有名コーナーだったらしいので、ほぼ日の検索で「ほがらか」とかければすぐに出てきます!
それともう一つ、他にもたくさんあるのですが、一つ今のフィーリングにぴったりの話をジョージさんがしてて、
「もうほんとにそのとおり!」と思った話がありました。
それは、人間の長所と短所って個性の裏表なのに、
長所の恩恵にはあずかりたいけど、短所はなんとかしろって言う人の話。
長所も求めないから短所も引っ込めてって言うならまだ分かるけど、
おんなじものの裏表を別々に取り扱えるわけ無いだろ!と。
あぁ、その怒りすごい良くわかるわぁ・・・と思いました。
私はどうも普通の人が普通にできることが出来ないみたいです。
でもそんなことチクチク言われたって出来ないものは出来ないし、
その出来ないことと背中合わせの出来ることはしっかり利用しようとしている。
本当に汚い。
ので、そんな人のもとはさっさと去ろうと思います。
引き続き、転職の可能性を探します。