新型コロナウイルスが世界中で猛威を奮っている。

クルーズ船への対応に始まり、日本の検疫体制、検査体制などが欧米諸外国から非難の対象となってきたが、わずか数週間という間に当の欧米諸国では制御不能なパンデミックに陥った。

 

 現状の日本では、今のところ、諸外国の「都市封鎖」には至らず、「自粛要請」で踏み止まってはいるが、、いつ何時そんな事態に発展しても不思議はない。

 諸外国からの批判に反してコロナウイルス感染による死亡者がぎりぎり抑制できている間に、爆発的拡散に対する備えを怠らず、なんとか「医療崩壊」だけは避けねばならない。

 

 倅の通う学校でも3月はほぼ休校となった。3学期の期末試験はなしとなり、19日の終業式以外は休校、登校禁止が続いていたが、漸く3月30日から校内活動自粛の措置を制限付きで緩和され、「3つの密」を避ける形での部活や校内活動が許可されるようになった。

 例年ならば、部活以外にもこの時期は5月2、3日に1万人以上の来訪者を集めて催行される大イベントである「文化祭」の準備で、毎日、休む間なく沢山の生徒が登校し、準備に明け暮れている時期でもあったのだが、学校で集まらなければできないほとんどの準備は今年に限っては、きっと未だできていないままであろう。文化祭自体、今のところ、今年は、大人数が集うオープンな開催ではなく、入場者を招待制にして開催にしようという計画らしい。準備に奔走している多くの生徒のためにも予定通りに開催できることを祈っているが、コロナウイルス感染の状況によっては、それさえ流動的かもしれない。

 

 倅は昨夏で引退してしまったが、倅の中学入学以来、倅と共にどっぷり野球漬けの毎日を送ったオヤジとしては、こんな時も、野球部の活動が気が気でならない。野球部にとっても夏の大会のシードを決める春の大会は中止となり、登校禁止期間中はもちろんチーム練習も練習試合も一切できていなかった筈だ。やっと、グラウンドで集まることができるようなり、部員も少しはほっとしているのだろうが、練習試合の日程もきっとまだ白紙の状態であろうし、何より、まだ感染症の不安も抱えたままでの再開であろう。

 文武両道を貫く立派な同期の3年生にとっては、何にも代えがたい最後の夏の大会まであとたった3ヵ月。ここまで多くの犠牲を払い、いろんな我慢をして懸命に続けた部活なのだ。どんな形であれ、コロナウイルスの不安なく、思いっ切り、悔いなく、各々の青春を燃焼しきって貰いたい。グラウンド狭しと駆け巡る姿を見せて貰いたい。

 

 春の選抜、オリンピック、大規模イベントが尽く中止や延期となり、世界中で先の見えないウイルスとの闘いが続く。

しかし、人類は多くの感染症を乗り越え今日の繁栄を築いてきたのだ。

朝の来ない夜はない。1日も早く、コロナウイルスの憂いなく、過ごせる日が来ることを、そして、愛すべき高校生達の明るい声がグラウンド一杯に響きわたる日が来ることを切に祈っている。