前回、テロ等準備罪は国際組織犯罪防止条約を締結し世界187か国に仲間入りするために必須であると申し上げましたが、ということは世界で187か国がすでに共謀罪を持っているということです。
正確には参加罪か合意罪(共謀罪)ということになります。
合意罪はご承知のとおり凶悪犯罪を計画した時点で捕まえることができます。
一方、参加罪は組織的犯罪集団に参加するだけで犯罪を起こしていなくても捕まえることができます。
このどちらかを満たさなければ国際組織犯罪防止条約は結べません。ですから187か国はどちらかを持っています。
さて、今回のテロ等準備罪では組織犯罪的集団に所属し、凶悪犯罪を計画し、さらにその準備行為を行わないと逮捕できません。
つまり、参加に合意そして準備まで必要なのです。
これは、世界で最も厳しい制約を課したうえで今回の法律を作ったといえるのではないでしょうか。
これで、我が国が監視社会になるというなら、国連加盟国数に近い187か国はすでに監視社会ということです。
いかがでしょうか。
できれば刑法は厳しくしないほうがいいでしょう。しかし、そこに、凶悪犯罪が起こる可能性が高まっているのならば、世界と比べてもそれほど人権を制約するわけでないこの法律は必要と考えます。
そして、適切にこの法律を運用すると同時に国際組織犯罪防止条約を締結しテロなどの凶悪組織犯罪を防いでいかなければなりません。
テロ等準備罪で監視社会になるなどと印象操作にくみする政党には現実を見てもらいたいものです。