父は、
改めて幸せ者だったと
そう思った出来事があります。
父が息を引き取って、
家族で見送りしました。
娘ちゃんは、
じいちゃんの最後の姿に、
言葉なく、号泣…
息子くんは、
涙をこらえているのが、
私にもわかりました。
ただ、
二人は、次の日も学校、そして仕事。
なので、
ある程度したら、
旦那にお願いをして、
先に帰ってもらいました。
残った私と妹、
そして、母で、
支度をしてくださる看護師さんを待ち、
お迎えを頼んだ葬儀屋さんが来るのを
約束の時間まで待ちました。
色々な手続きをしながら、
仲良しだった看護師さんが、
「お父さんの最後、間に合わなくて… ごめんね。」 と…
「全然大丈夫です。
だって、いままでずっと一緒にいたから…」
そう、私は言いました。
父の支度をしてくださっているときも、
「すごくいい顔している…
最近、見たことないな、こんなに安らかな、優しい顔の人…」
そんな風に言ってくださって。
家族は幸せでした。
時間いっぱいまで、
家族でいろんな話をして、
父との時間を
三人で共有して、
本当に幸せな時間を過ごしました。
葬儀屋さんが到着して、
看護師さんが送り出してくださるとき、
病室から出た彼女の顔は、
涙が溢れておりました。
下まで降りたら、
以前、担当してくださっていた看護師さんが…
彼女は４月から外来担当になってしまったのに、
今日、父の様子が変だったので、
ずっと、待ってくださっていたようです。
その方も、涙を流してくださいました。
その後、
担当医の先生も…
慌てて来てくださったみたいで、
お見送りの時に、間に合いました。
父がもっとも信頼していた先生、
そして、いつも一生懸命お世話してくださった看護師さん。
そんな方々に見送られ、
父はそっと病院を後にしました。
私は他の病院がどんな感じかはわかりません。
でも、
母も、私も、
ここの病院でお世話になれて、
本当によかったと、
心からそう思いました。
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