私はアメリカで幾度となく病院のお世話になった。

オークランドのチャイニーズ先生とは別に、緊急を要する内臓系のものだ。


最初の病院デビューは胃痛だった。

真夜中に胃がキリキリ痛くて、下痢もして、吐き気もして、息もたえだえ、どうにもこうにも不安になって、友達に電話して車で病院に連れて行ってもらった。夜中の2時半だ。


まだ英語がいまいちだった私は、そのアメリカ人の友達が通訳がわり。

通訳と言っても大人の英語から子供の英語に訳してもらうというもの。

たとえば「ここにお小水を入れてきてください」とお医者さんが言えば

「ここにオシッコ入れてくるんだって」と訳してくれる。

『urinate(小便をする)』がわからなかったから、子供語の『pee』を使ってくれたのだ。


急患だからと言って、すぐには診てもらえない。

1時間以上待たされて診察室に入る頃には痛みはだいぶおさまっていた。


診察室にはその友達は入れなかった。

一人になると急に不安だった。

何を言われているのかわからなかったからだ。

おケツに指をつっこまれる

結局、おケツに指を突っ込まれてまで検査したものの、待ってる間に激しい痛みも治まり、いったいあれはなんだったんだろう…という具合で6時半には帰宅した。


その日の日記に、その後学校に行ったって書いてあるから、私も若かったのぉ~。一晩苦しんで寝ていなかったというのに…。

(つづく)