さっそくデイビッドはNorahをかかえて、いっしょに2階へあがっていった。


エリオは9歳になる美しい猫だった。毛つやがよく、スリムで、モデルみたいな。Norahは野良だったから、正確なところの年齢はわからない。SPCAのカルテには、最初に連れて行った日が誕生日として書かれ、歯からみただいたい推定できる年齢を年号とし、96年1月13日が生年月日とされている。ということは、そのとき11歳。


お互い手術済みの大人の猫だ。もしかしたら普通に仲良くできるのではないかと思ったが、やっぱりNorahは離れたところでシャーシャー言っている。


「シャー言わないよ、ノーラ。」


エリオは近づこうとするのに、Norahはエリオが一歩でも近づこうものならシャー‥。


翌日もふたりを会わせてみたけど、変わりはなかった。これは時間がかかりそう。でも、アンドレアも穏やかに受け入れようとしてくれていた。