子どものころ、『大草原の小さな家』が好きだった。
『大きな森の小さな家』も忘れられない。
主人公のローラ=インガルスが、大人になり幼少の素晴らしき思い出をまとめたものである。
さらにはNHKでそのドラマが放映されており、兄弟で楽しんだのが懐かしい。
その『大草原の小さな家』が書かれたのが1934年ころ。
日本史で言えば、満州事変と日中戦争の間であり、ヨーロッパではヒトラーが台頭した。
そんな時代に、私の好きだった『大草原の小さな家』は書かれていたのである。
そのローラ=インガルスが生まれたのが1867年。
つまりは江戸時代の最後の年、福沢諭吉が慶應義塾を創立した年だ。
日本が明治維新の動乱を迎えたころ、アメリカの西部ではあんな生活をしていた人たちがいて、さらには、その物語が父が幼少のころに書かれ、私の幼少のころにテレビ化された。
妙な話だが、私はいくつになってもこうした妄想が楽しい。
歴史とは暗記ではなく、ましてや年号を知ることではない。
むろん、学問的なアプローチはあるが、なによりこうした妄想こそが楽しい。
そういえば、ローラはお母さんの作ったアップルパイが大好きで、それは本当に特別な料理だった。
この物語から、子どものころに知ったアップルパイを、私はいまも大好きだ。
これだって歴史だ。