「つ…敦賀さん、いらっしゃいますか?」
楽屋で着替えを済ませ、帰ろうとして
いた蓮は突然の想い人の声に驚く。
満面の笑みでドアを開けた蓮はキョーコ
の異変に気がつく。
明らかに走ってきたと見えて息があがっ
ていた。
顔は真っ赤で目が朦朧としていた。
(…酒を口にした?)
すると、幾人かの足音が聞こえてきた。
「いたか?」
「おりません!」
「探せ!京子は酔ってる。こんなチャンス
ないぞ!」
蓮はすべてを悟った。
「最上さん、早く入って」
蓮はキョーコを部屋に通した。
ドアに鍵を閉めると、蓮は冷蔵庫から
ペットボトルを一本取り出す。
「最上さん、これを…!!」
キョーコの姿をみた蓮は驚く。
服を脱ぎはじめていた。
「あ…暑いです///」
「最上さん、待って!まず、水を飲ん
で」
蓮はペットボトルの水を渡して飲ませ
る。額に冷○ピタをのせ、自身のコート
を羽織らせる。
水を飲んで落ち着いたのか、キョーコ
はポツポツと話始める。
「今日はバラエティの雛祭り特番だった
んです。甘酒をすこしいただいて…そし
たらなぜかフラッとして…いつのまにか
プロデューサーと数人の男性しかいなく
なって…皆がじりじりと迫ってきて…そ
して…ひくっ」
キョーコは思い出したのか肩を震わせ
涙を流した。
「最上さん、もういい…「私!純潔の
誓いは守りました!走って、走って、
逃げました!」
大声で叫ぶキョーコに蓮は目をまるく
した。
「う…うん。」
「私の唇も身体も敦賀さんに捧げる
ものなのです。誰にも…「待って!」
蓮は勢いよく捲し立てるキョーコ
の言葉を遮った。
「最上さんの唇も身体も俺のもの?」
蓮はキョーコをみつめた。
「はいっ!敦賀さんは、教祖…
んんっ///」
蓮にキスされてキョーコは驚く。
「俺も愛してるよ。」
「ええっ/////」
その日の夜、キョーコは訳がわから
ないうちに蓮と結ばれた。
数日後には婚約発表となったが
キョーコにはわからない。
「魔法?」
End
初稿2019.3.3