②で終わっていたこの作品。
見返してみたら何かが足りないと気が
つきました。
蓮さま不足…(笑)
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蓮の涙にキョーコは心を揺さぶられた。
(…何て美しいのかしら。こんな崇高な
人に自分が何かしてどうなるものではない
わ。迷惑だけかけてしまって恥ずかしい。)
「だるまやに送っていくね。」
「はい。」
蓮はキョーコのショーツ1枚だけの姿
をみていたが、特に表情を変えることなく
着替えを促し、準備ができると駐車場に
キョーコを連れてきた。
(…ドキドキするとか…触れてみたいとか
全く思わないんですね。)
キョーコは運転する蓮の横顔をみつめた。
テレビで見ていた遠い存在…トップスター
敦賀蓮。クールで非のうちどころなしの
美形。切れ長の瞳はキョーコをまったく
みつめていなかった。
こんな失態を起こし、事務所の仲の
いい後輩のポジションも失ってしまった
ようだ。
「ううっ…。」
キョーコが思わず漏らした嗚咽に蓮は
心配そうに声をかけた。
「病院に行く?」
「だ、大丈夫です///」
「そう、だるまやにもうすぐ着くから
ね。」
「はい。」
「ありがとうございました。」
「うん。ゆっくり休んで。今日のことは
すべて忘れて。俺も忘れるから。」
「はい。」
蓮はキョーコに手を振り、車を走ら
せた。
5分後。蓮は近くの公園に車を留め、
久し振りに煙草を吸っていた。
張り付けていた『敦賀蓮』を取り去
り、大きく溜め息をついた。
(…最上さんを帰せてよかった。頑張った
よ、俺。古賀くんを殴り倒すこともな
く、最上さんに襲いかかることもなく。
敦賀蓮はすごい。久遠・ヒズリには
出来ないな。最上さん、綺麗だったな。
全身が光輝いてた。別の馬の骨がなにか
するまえに最上さんを捕まえたいな。)
End