LME社長室。

  「ところで、石橋くん、瑠璃子くんとは付

き合っているのかな?」

  社長からいきなり切り出された。

  口調は真面目だが、目がにたーっと笑って

いる。

  告げ口したのは椹主任だ。歌手部門の中澤

主任まで来ている。

  「俺は視聴率もアップしたし、光くんの意

外性が素敵ぃカナヘイハートと女性ファンからの後押し

もあるんで別に構わないと思うんだが、中澤

くんはどう思う?」

  「僕も特に反対ではないです。好感度の高

い光くんなら瑠璃子にとってもプラスです

し。」

   「だろう?愛の伝道師として俺は二人を祝

福してやりたい!!」


    光お構い無しで盛り上がる二人。  
   
  いらいらする光。

   「あのっ……!」

   「何?」

     二人が光を見つめた。

     「だからっ、俺と瑠璃子ちゃんとは」
   
     説明しようとする光をさえぎり、中澤と

踊り出す社長。 

   「カップルができることはいいことだ。

一足早く春が来たようだよ。中澤くん。」

  ターンする二人。

   「これで、我が儘、瑠璃子もおとなしく

なるかと思うと嬉しくて嬉しくて。」

     浮かれるふたりに唖然とする光だった。


                                                        End