☆シスターズ☆
クラスが同じアヤと由依と、隣の3組のカオリン。
最近は、部活以外でも一緒の時間が多くて、なんか四姉妹みたい。いつも強気でハッタリのきく長女(アヤ)と、クールな次女(カオリン)、優しい三女(由依)。そして、イジられ役の末っ子(マユ)こと、ウチ。
きょうだいのいないウチに、心強い仲間が出来た。
新歓ライブのお知らせがあって、夏休み前の7月中旬に、先輩たちのオールスターバンドで1曲演ったあと、エントリーした1年バンドから、先輩たちが投票で1バンド選んで下さるという。選ばれたバンドは秋の文化祭の後夜祭ステージに出られる。軽音は人数が多いからね、1年なのにもし出れたらすごい!
「シーナんとこメンバー揃ったらしいよ」
部長経由でいつも情報の早いアヤが得意気に語る。てか、もしかしてもう付き合ってんの?
「えっ、誰?」
「7組の佐久間」
「あー、あのチャラい人?ギター弾けるんだ」
カオリンが笑ってる。
「えー?バド部じゃなかった?」
由依も知ってるチャラさ。
「シーナに誘われて、路線変更。よかったじゃん、マユ。男女ユニットじゃなくてトリオになったよ」
バシバシ背中を叩いてくる。それはそうだけど…あのシーナくんが誘うってことは、相当上手いんじゃ?
シーナくんに一目置かれたいから、新歓ライブ、絶対負けたくなーい!
「エントリー、いつまでだっけ?」
「期限はないけど、先着5バンドまで」
と、アヤ。
「もしかして、もう終わり?」
「待って。ヨッチャンに聞いてみる」
と、スマホを取り出す。
「ヨッチャンて…、吉田良久。部長?」
姐御、なんて、手が早いの!もしかしてもうタメグチ?