2017年05月07日

戦後2

テーマ:アィホンから
前に彼と会ったのは2月だった。
あのナンでもない土曜の府中の負け馬が、春の桜を勝ち取ったとテレビが言っていた。

「あの時見たあの娘が今日勝ったね」

何ヶ月ぶりかに、そんなメールをすれば
何ヶ月かぶりに、返事が返ってくる、

そうやったんや!なんか聞いたことある名前やと思った

そんな同僚のオッサン同士みたいなメールのやりとりしかできてなかった。

彼が今も彼女とうまくいってるかどうかは聞いてない。
彼が娘や息子とどれくらいの頻度で会えているかは知らない。

ののは彼をあきらめきれてはなかったし、
彼はそれにうってつけの頻度でフェイスブックにいいねを付けてきた。

次に会えるのは5月末の出張しかないと思っていた4月下旬、彼から久々に連絡が来た、

「GWは休めるの?」

そんな一言が何を意味するのかくらいは判る大人になっている。

「うん、世間よりは短いけど、5〜7は休みゃよ。4も休めるかも?ってとこ」
ちゃんと具体にお伝えしてあげる、

「オレは3〜7休みとれたから帰省するよ」

ちゃんと読み解いてあげる、
「わー、ほな大阪にも立ち寄ってね」

「それなら3日の晩ご飯でも」

私が全部誘ってあげる、
「4日も一緒におれるなら、会社休みにしとく!楽しみ‼︎」

「大丈夫です」




このクソなやりとりを悪友Bちゃんに見せたら一言、

「大丈夫てなんやねん!はー、たいがいやな、このオトコ!」

ののは笑って答える、

「うん、ダメ過ぎやろ、この浮気オトコw でもうれしーねんなぁ、あたし」

この「3日の晩ご飯」と言ぅのが、ののん家の2泊3日を指しているであろぅコトはののは判っていた。

だからののはいつものように、部屋の大掃除をして、全身ツルツルに毛といぅ毛を剃り立てて、冷蔵庫を食材でいっぱいにして彼を迎ぇた。


戦後は続く、オレが戦い続けるうちは。

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2017年02月15日

戦後1

テーマ:アィホンから
東京駅そばの綺麗めビジネスホテルのチェックアウトは11時、時間ギリギリまてお部屋でイチャイチャする四十路の男女。

他人ならきっしょく悪さでゲーでる感じだが、オノレのことなら、気持ち20代に劣らないドキドキ感。アッタマおかしくなってんだろな、アレ。ホルモンバランスだだ崩れのぉ早め更年期かもしれなぃ、のの。


この前に、彼と東京で会ったのは11月だった。
あの時は何もなかった夜を越えたものの、翌朝さぁ2人で府中へ繰り出そぅというタイミングで触れ合ってしまった。そのまま競馬はどこへやら、新幹線の時間ギリギリまでやりまくったあの時は直線コースに辿り着かずじまい。

しかし今回は彼の部屋ではなくホテルだ。ダラダラ時間を過ごすわけにもいかない。
2人で東京競馬場に向かう事にした。


彼は時々競馬には行くようだったけれど、それはスクラッチカードを買うのと同じような感覚だといぅ。
なんとなく気に入った馬を買ってみる、人に聞いて馬連とやらが当たりやすいと聞いて選んでみる。
そんな競馬を時々しているだけで、馬柱のの読み方も馬主や調教師の関係、中央競馬と地方競馬の違いもわかってないようだった。

電車で府中に向かう途中、ののはいつものスポーツ新聞を買った。

競馬のページだけを抜き取り、残りをこれいらなぃと彼に渡した。
彼はエロページの「スマホばかり触る女には構ってやればすぐヤレる」という記事を指差し、「ほら、こんなこと書いてあるで」と笑顔でののを見た。ののは笑顔で「うん、構って構ってー」と彼の腕を掴んだ。


土曜の府中は空いていた。

とても居心地のいぃのんびりした府中で、ののはひとつずつ彼にレクチャーした。

「馬柱は、上から読むの。父と母父をチェックして上位にシルシ。位置取りは、先行馬のすぐ外が優位、騎手相性は連帯5割以上が最低条件。レースは上から下に時間軸が流れてるから、今回の条件に近いレースで3着までに入った経験があるのを…」


基本的なことばかりだけれど、彼はののの新聞を見ながらふんふんと頷いてぃた。


次はパドックにご案内、やる気がある馬は外側を歩く。後ろの牡馬を気にする牝馬の癖や、バネのある首元をしっかりチェックすること、そして騎手が跨ると変化する気性を見極めること…


この日ののは久々の競馬だったが、どのレースでも1頭だけ選べばその馬はみな3着までに入ってくれた。馬券が1枚もゴミにならないののを見て、ほとんど払い戻したことのない彼はすこぶる関心していた。


あれは何レースめだったろうか。

古馬の混合戦、美浦の5歳牡馬を栗東の4歳牝馬がパドックで追いかけ回していた。のんびりヤル気のない牡馬はパドック内よりをポツポツと歩くだけ。しかしその後ろからずっと話しかけてちょっかいかけてく栗東の古馬牝馬。牝馬の厩務員さんは必死で彼女の顔をパドックの外へ外へと押しやり続けていた。


「ほら見て、あの牝馬、オーサカのおばちゃんゃわ。東京ののんびりしたオッサンに『どなぃどなぃ?今日走るん?ここどんな感じなん??』ってずっと話しかけていっとるやん。東京のオトコは関西のオンナにはまったく興味なぃ感じで無視ゃな、でも関西のおばちゃんはシツコイでーなっ」

1組の牡馬と牝馬が自分ゴトのように見えてくる。


結局パドックをぐるぐる歩く約30分間、牡馬は1度も牝馬の方を振り向きもしなかったし、牝馬はそれでも最後まで牡馬に話しかけているよぅに見えた。


「のの、あの関西のおばちゃんかおーっと!話しかけ過ぎて、パドックで疲れてるかもしれへんし、レースに体力残ってるか分からんけど、決めたっ、あのおばちゃん応援する!」


そういってののは彼女の複勝だけを500円買った。


レース全体の流れは覚えていない。


ののは1組の牡馬と牝馬しか見てなかった。
道中、牡馬はずっと最内3番手くらいに位置取りをしていたし、牝馬はその2馬身後ろくらいを走ってぃた。パドックと同じように牝馬は牡馬の三歩後ろを走り続けたが、最後の直線で牝馬はラストスパートをかけて牡馬に並んだ。

並んだ時に、牡馬の方に少し首を向けたように見えた。そのまま牝馬は牡馬を抜き去り、レースの2着にくい込んだ。


関西のおばちゃん、東京のオトコを抜き去る時、

「あんた、行かへんの?行かへんのんか?ここラストスパートすっとこやで。あんた行かへんならうち行くけど、ええ?大丈夫かぃな、あんた」

そう言ったようにののには見えた。


レースの後、勝ち馬券を手に「うち、あのおばちゃんと一緒に今夜オーサカに帰るわ」とののが笑ぅと、彼も笑顔で「そうやなぁ」と笑ってくれた。



彼の馬券はなかなか当たらなかったが、メインレースでようやく当たった。ののが新聞に有力3頭の丸印をつけたのをみて、一緒に選んだ2頭が1着2着にちゃんと入ってくれた。


「うわっ、オレマジでちゃんと取れたん初めてかも!スゲー!!」


彼は素直に喜んでいたし、
ののは素直に、彼が競馬を面白いと感じてくれるといいな、と思った。

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2017年02月14日

敗戦から5

テーマ:アィホンから
結局その後、彼とののはあと2回エッチした。

彼は四十を超えているにも関わらず、無限にできる人だった。2度め、3度めとなるとますます時間も長くかかるようになる。

2度めはバスタオルを敷いてベッドの上で、
3度めはバスルームで、

それぞれ2時間や3時間はとぅにかかっていた。

オンナはそんな長時間乾かないはずはなかったが、幸いにもののはセーリ3日め、その血が乾くことはなかった。


もう一度言っておこう、
ののはいたって普通のオバサンで、
セーリの時はエッチしなぃ主義、

そして、

主義なんざぁ、目の前の男にヒョイと持ってかれるダメ女だ。


血まみれで3回エッチしたあたしたちは、
ツインベッドの小さな片方のベッドに2人で眠った。
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2017年02月13日

敗戦から4

テーマ:アィホンから
ののは常識的なオンナだと思ぅ。

変態でも無鉄砲でもなぃ、いたって標準、保守的な負け犬アラフォだ。保守的過ぎて、売れ残った残念チャンだ。

基本、セーリの時はエッチしなぃ。

オンナが気持ちいぃのは、心が解放されるからであって、どっかを触られたら全自動、という訳ではなぃ。「ぁー、血ぃ出てるわ…」とか思っちまぅと、どこもかしこも乾いてイテテ、どうにもこうにもならんくなっちまぅ。

ま、時にはナプキンやぉパンツの上から、ゴリリと刺激して気持ちよくなるコトはあっても、今はまだ彼にその醜態は見せられまぃ。

しかし、バツイチだし、子供も何人もいる彼、セーリの女とこれまでどうして来たんだろうか。
セーリの血だって、どんな色形かちゃんと知っているのだろぅか。
(よくある赤いサラサラの血のこともあれば、ウンチと見間違える茶色い固形のことだってあるんだゼ)


シャワーを済ませたののは、パジャマに短パン姿でバスルームを出た。

「お風呂いただきましたぁ」

ベッドでくつろぐ彼の隣りに座る、
ちょっとキスをする、
ののは彼のその辺りにそっと手を寄せた。


「さて、セーリだしここはののの出番だょね」

心んなかで、スタートの鐘が鳴る。




何か月か前、彼のはののが当たり前のようにそうした事にとても感激してくれた。

「オレ、こういうのしてもらったことないから」
「触られる、とかもあんまなくて…」
「ていうか、なんなん、この気持ちよさスゴイなぁ」


今回も彼は子供みたいに喜んでくれた、

「うわっ、それそれ、もぅ何で分かるん、なんでそこが今一番そうして欲しいって分かるん!めっちゃ気持ちいいねんけど、ぅ、うっわー!」

ののはいつもこう答える、

「ぇ、分かんないよ、ののにはこれついてなぃもん。」



そうしているうちに、彼のはどんどん大っきくなっていった、

「あかん、ガマンできん、や、やめてっ」

可愛い声を出されると、こちとら俄然やる気になっちまぅ、


「大丈夫だょ、ガマンできるょ」

そう言いながら、ガマンさせるものかとあの手この手で攻めさせていただく至福の時だ、


「うわぁ、ホンマにあかんて、ガマン…あっ、ぁ…」




あ、なんか苦めだな、この人の。

ののは瞬時にゴックンした。



あれが不味くて臭いのは、きっと空気に触れるからだ、ののはそう勝手に思いこんでいる。もちろん、惚れた男のものだから飲み込めるのであって、愛情のカニバリズムだ。

彼は「うわっうわっ、出して出してっ、うがいしてっお腹痛くなるでー」と慌てて言ったけど、ののは「もうないよー」と空っぽのおクチをあーんした。

しっかり飲み込めばおクチだって臭くなぃ。


ののにキスした彼が「ぇ、なんで臭くないの?」と聞いたのでののは「宇宙から宇宙に消えてったんだょ」と笑っておぃた。



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2017年02月13日

敗戦から3

テーマ:アィホンから
「お風呂先入りなょ」
「いゃいゃ、君先入っていいから」

そんな押し問答を3度は繰り返したろぅか、ののはもう言うしかなかった、

「うち今日湯船入られへんねん。血まみれにしちゃうから、ごめんな。」


彼は一瞬言葉に詰まったようにも見えたが、すぐに「んぁっ、そか、そかそか。ほなオレ先入るわ」
と、すんなりさらりとバスルームに消えていった。

ののは、そのやり取りの間どうしていいかわからず、ベッド脇で自分の荷物を片付けたりしていた。


バスルームからお湯の音が聞こえる、
シャワーの音、体を洗うよぅな音。


「申し訳ないなぁ」と思ぅがこればかりは仕方なぃ、ののはやっぱり服のまま、ベッドに突っ伏してだらりと彼がバスルームから出てくるのを待った。


部屋には今時の液晶テレビが備え付けられていたが、彼はテレビを好まない、無音の部屋では居心地悪くなったののは、スマホでYouTubeの再生リストをポチッと押した。


リスト「矢野顕子200本」


しばらく経って彼がバスルームから出て来た、
ののはどう答えていいのかわからず、ベッドに突っ伏したまま、枕元で矢野顕子ののは可愛らしい歌声が流れていた。


彼はののが寝ているベッドに腰をかけてくれた。
ベッドがゆらんと揺れて、ののは彼の湯上がりの温かい体に触れた。

彼は黙ったまま、ののの肩や背中をコリコリとマッサージし始めた。

「ぬおーー!きもちいいっ!」

と心で叫ぶ。

彼はセーリの私をいたわってくれたのだろぅか。
湯上がりの綺麗な彼の手が、汗臭いののの肩や背中を少しずつほぐしてくれる。


ひと通り、全身をヘルシーに揉みほぐしていただいた頃、ののはむっくりと起き上がって、彼の背中にひたっとくっついて言った、

「ごめんな、セーリで」

彼がなんと答えたかは覚えていなぃけど、
振り返った彼とののはキスをした。


優しい、ふんわりとしたキスを何度も繰り返した、
ののは「会いたかったよぅ」と何度か言ったが彼は何も答えなかった。

彼のキスが、ののの首元や胸に移りかけたところで、ののは「うちも、シャワーしてくるっ」そう言って、バスルームに向かった。


彼は「うん、そうしな」と優しく微笑んだ。

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