2024年の19冊目。


「人魚の眠る家」
(‎ 幻冬舎文庫 469ページ ) 

東野圭吾 著

 

 

18冊目はこちらでした↓

 

答えてください。
娘を殺したのは私でしょうか。

東野圭吾作家デビュー

30周年記念作品。

娘の小学校受験が終わったら

離婚する。
 

そう約束した仮面夫婦の二人。
 

彼等に悲報が届いたのは

面接試験の予行演習の直前。
 

娘がプールで溺れたー。
 

病院に駆けつけた二人を

待っていたのは残酷な現実。
 

そして医師からは

思いもよらない選択を迫られる。

過酷な運命に苦悩する母親。

 

その愛と狂気は成就するのか。
 

「こんな物語を自分が書いていいのか?
今も悩み続けています。 東野圭吾」

 

_________________

 

 

さすが東野圭吾さん!と

言った感じで

伏線があらゆるところに張られており

物語の終盤でしっかりと

回収されていくのが面白いです。

 

「脳死」という重いテーマですが

著者が果敢に問題提起をしている

姿勢がこちらに伝わり

とても考えさせられます。

 

わたしも母親と言う立場で

読み進めていましたので

何とも複雑な心境になりましたが

脳死判定や臓器移植について

立ち止まって考える

良いきっかけにもなりました。

 

多様な価値観の中

人は何を拠り所にして

何を頼りに生きているのか

大切なものとは一体何なのか

真に迫るものがありました。

 

また

AIにはどこまで可能性があり

人間の心理に

働きかけることができるのか

様々な視点から読み深めることが

出来ました。

 

重いテーマでしたが

読了感が良いのがとても救われます。