3D文章ゼミの講評 | のんの日々

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村松恒平氏からの講評です。ご本人に許可をいただき、以下にペーストします。
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[13] おばあさんの話   投稿者:のんさん

これも、全部本当の話のように思われますね。
ひょっとして課題の説明読んでない?
〆切も間違えるし、わりと早のみこみのところがあるようです(笑)。
それとも、やはり本当とフィクションは続けて書けないのか。

きつねにバカされた話というのは、懐かしく、ヘンな体験の話の入り口としては非常にいい感じなのですけどね。

>飲酒による酩酊。加えて田んぼの中の暗い夜道。これがキツネに化かされた真相なのだろうか??

ここまでの文章は、方言も利いているし、とても素直でよい文章だと思います。

このあとがつまらないのです。

もっとここから怪談や奇談に突っ込んでいってほしい。
お稲荷さんにまつわる話でもいいので、話を大きくしたり、面白くするサービス精神を発揮してほしい。

あまりに一般的にまとめすぎて、自分の個性を発揮するのを怖がっているような感じがするのです。

>来月お盆には帰省する私。これを機に、祖母の墓前に手を合わせ、お稲荷さんが祀ってあったという場所を訪れてみようと思う。何か新たな情報を得られることを期待して。

上のまとめは、なんか学校の優等生の作文みたいです。 
せっかく、神秘的なできごとと、日常感覚の中間にいたのに、いっぺんに醒めてしまいます。
とくに、

>何か新たな情報を得られることを期待して。

これはちょっとガックリです。
この情報という言葉は、ここに全然そぐいません。
こういう世界は体験や伝聞だけだからいいのです。
情報という言葉では、キツネにばかされる世界には入っていけません。

「私もちょっとだったら化かされてみたい」というような締めのほうがいいです。
もっと
「お稲荷さんを訪ねたけれども、そのときに自分もキツネにつままれたような体験をした」という内容まで展開できればいちばんいいです。

そういうネタを考えるのはたいへんでしょうか?
でも、たいへんなところにいちばん栄養があるのです。
そこを避けていると文章は面白くなりません。
省エネモードは、破壊してください。

学校の作文ではないので、うまくまとまっていることより、どこまで展開できるか、ということに意識をおくようにしてください。