農業全書 020 中耕除草 中うち芸る(ナカウチクサギル) | noninomのブログ

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農業全書 020

 

間違い等あればコメントで教えてください🙇

田植え後1ヶ月ほど経った6月頭頃、ヒエがボーボーになって

手押しの中耕除草機をやってみましたが、

全く歯が立たなかった所ですえーん

田植え後10日頃にはやらないといけなかったです凝視

 

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「農業全書巻の一

農事總(総)論 

 鋤芸(ジョウン、中うちしくさぎる)  第五

(中耕除草のこと※)

 

P67

 

又中うちは始の第一遍は深きを好まず。
さらさらとかるくうち二遍めは深くすべし。
三遍めよりは次第に淺きがよし。
いかんとなれば初の一遍は草のめだゝんとするを削り殺し、二遍めの深くうつ事はうへ物いまだ立根ばかりにて、わき根はさかへぬ間に底の塊をもうちくだき根底の氣よくめぐるためなるべし。
三遍の時は早わき根やうやくはびこるゆへ、深く強くうてば苗いたむ事あり。
然る故に如此ぜんぜんに淺くうつ事也。
いかさま中うちする度ごとに、干たる細土の底に入りて、うへ物の細根是に思ひ合ひてさかへはびこる心得する事肝要なり。
諺に云く、鋤(ナカウチ)すること入遍なれば犬を餓殺すとて、田畠ともに數(数)度中うちすれば犬の食物になるべき粃(シイナ)などなくして餓死すと云ふ心なり。
又農具鍬熊手などの類大小さまざま品多し。 
時と土地とに随ひて考へ用ゆべし。
古は所により水田の中をも鍬にてうち、くまでにてかきたるといへども、近代は大かた手にてかきあざり莠(ハグサ、※)ぬきさり、無用の根葉をもぬきざるをまされりとするなり。
又田畠の畔、其外近き邊(辺)りに草少しも立てをくべからず。
あたりに草さかへぬれば、土の氣をうばひぬすみて、目にもみえぬ害をなす事甚し。
都て(スベテ)さかゆる物は其あたりの雨露の氣までも分けてとる物なればなり。
又右にも云ふ、穀子は立根の精より生ずる物なれば、實りを求むる類の物は立根のさきをよく
やしなふべし。
糞も立根のさきによく行きわたる心得すべし。 
又田を芸る時に草なくとも浮根浮葉をばとりさるべし。 
是に精をぬかすまじきためなり。
又中うちはしめりたる時必ずうつべからず。
日と風とにあひて土白く干たる時、一遍うちたるは、しめりて黒き時四五遍もうちたるに勝るものなり。
又土地はあらゝにうちうかし、かきくだけば其氣さかんなり。
居付きかたまる時は性あしく瘠るものなり。
其ゆへ中うちをさいさいすれ
ば、上の日にあたりたる細土底に入り、うへ物の根に陽氣を加へ、上(ソノウエ)なるかはきたる細土を以てぜんぜんに根によせおほひうるほひに合はせぬれば、うへ物さかゆる事甚し。
且又根の土厚ければ、旱(ヒデリ)にも痛まず、風雨にもたをれず、すべて萬の中うち芸る事心あらくてはなりがたし。
をとゞめて一しほくはしく懇にすべし。
但是も又土地により、うへ物により、それぞれのほどらいはあるべし。
小麥(麦)など其外土地をひきしむる事を好む類の物には後までさのみはうつべからず。
又は中うちくはし過ぎて青へて實り(実)のよからぬ大豆などの類、又は砂地其外かるく、ちからなく弱き地などは、中うちの過ぎて性ぬけなほよはくなるも有る事なり。
物ごとには記しがたし。
強き土に大麥木綿を作りては中うちする事幾度には限るべからず。
中うちの道理におゐては第一土中の氣をめぐらし、天腸を根の下に通じ、土地をてんじあらた
にし、其外徳分數(数)多し。
 
 
○意訳○
 
中うちの深さは最初の一回は浅く軽くうつ(耕す)。
二回目は深くうつ。
三回目から深くからだんだんと浅くしていく
もし状態が良くなければ最初の一回は草の芽を削り殺し、二回目深くうつ時苗はまだ立根しか出ていない。わき根が底に向かって伸びる前に底の塊を砕き、根底の空間を確保することが重要です。これにより深部の土壌の通気性がよくなり根の成長が促進されます
三回目ではもうわき根が伸びているため、深く強くたがやせば苗の根がいたむので浅くうつ。
手抜かりなく細かい土を深くまで底に入れ込むことが、植物の細根がしっかりと成長するために大切である
諺に、「鋤(ナカウチ)すること入遍なれば犬を餓殺す」と言って、田畑を数度中うちすれば犬の食物になるくず米などが少なくなり餓死するという意味だ。
農具である鍬や熊手などの種類は大小さまざまで、その選択は時と土地によって合わせ、慎重に考えて使うべきだ。
昔は水田も鍬で耕し熊手でかき慣らしていたが、近代は大かた手で莠(ハグサ、※)などの雑草を抜き、不要な根葉も取り去る方が良いとされる
田畑の畔や近くの辺りには一切草を生えさせないようにするべきである
周囲に草が栄えると土の氣(養分など)を奪い盗んで、思いもよらない害をなす事がある。
全ての植物はその辺りの雨露の氣も取る物だからだ。
穀物の苗は立根の吸収する養分で成長するものなので、実りを多く得たいなら立根の先がよく伸びるように養うべし。
肥料も立根の先によく行きわたるよう気をつけよう。 
田を芸る時に草なくても浮根浮葉を取りさるべし。 
これに養分を取られないようにするためだ。
中うちは湿っている時はしてはならない。
日と風とで土が白く乾いた時に一回中うちすることは、湿って黒い時に四、五回中うちするのにも勝る。
土地は粗くうち(耕し)起こし、掻き砕けば地の氣は良好になる。
耕さず固まれば痩せた性質の悪い土になる。
中うちを何度もすれば、上部の日に当たって細かくなった土が底に入り、表層の乾いた細土を深部の根を覆うようにすれば根に陽氣を与え作物がよく育つ。
その根の土の状態が厚ければ日照りや雨風にも強くなる。
これらすべての中うち芸る(中耕除草)は心尽くさなければ難しい。
を留めて懇切丁寧にするべし
ただ土地や作物により、それぞれにちょうど良い程度がある
小麦など土地が硬くしまっているのをを好む物には後半はさほど中うちしなくてよい。
中耕しすぎて枝葉が繁茂し青々とし、結実が悪くなる大豆などや
また砂地やその他、軽く力がなく弱い土地などは中うちし過ぎると性質が抜けなお悪くなることがある
物事は言葉では説明しづらい。
強い土に大麦や木綿を植え何度も中うちすることは避けるべきである
中うちの道理で大切なのは、土の中の氣をめぐらせる事、天の陽氣を深部の根に通じさせる事、土地を転換して新たにする事、その他にも多くの徳分(意味)がある。
 
○感想など○
 
今年初めて稲作をやったり、畑も少し仲間でやってみたので今回も色々なことを思い出しながら書いていました。
6月頃田んぼをひと月放置して稗(ヒエ)がボーボーになった時は焦っていろんな人に相談したり調べたり、
もちろん除草剤や様々な道具も調べ、あるものは使ってみましたが最後はもう稗が大きくなりすぎ、
田んぼの中を膝をついてゴム手袋をした手でひたすら抜くしかなくなり何日もやっていたのを思い出しました。
週に週に1、2日しか通えないので本当に焼石に水の状態でした。
もちろん結果的に最高に非効率な事をやってしまっていたのですが爆笑
今これを書きながら昔の人の気持ちや考えの一端を感じる事が出来たんだなと改めて味わえましたにっこり
 
すべてに感謝していただきます🍚🙏
 
 
自身の学びのために始めたこの農業全書の現代語意訳(?)も
🎉🎉🎉ついに20回!!!㊗️㊗️㊗️
ここまでお付き合いありがとうございます。
 
書きながら何度も読んでいると農業だけでなく色々なことに通じる
大切な事が、、、江戸時代の人も今と変わらず思い悩み、
様々な苦労しながらも
前向きに氣持ち良く正しく生きて行こうと努力していた事が
伝わってきますねニコニコ
ありがとうございます🙇
※多分200くらいまで続きます驚き驚き驚き
 
続き 021⬇️