重松 清
きよしこ

「疾走」でインパクト大、「その日の前に」でも泣けた

重松さんはうまいですねぇー

これは泣けます。

私の中で、イイ涙がでて人前で(電車の中や職場で)読むのはちょっと

恥ずかしいかもしれません


吃音をもった主人公の少年「きよし」


小さな頃はそれを理由に笑われ、いじめられ。悲しい思いもする。

少し成長してくると、彼の吃音にたいしてまわりが気を使うように

申し訳ないような顔をされたり、大人は「ごめんね」と言ってくる。

そのことも彼の心を傷つける

言えない言葉のかわりに、懸命に違う言葉で置き換え、シェスチャーで伝え

それもできなくて誤解されたり、伝えられなかったり

「ちゃんと思っている言葉を人に言えないようじゃダメだ」「希望の仕事に就くことも

できないかもしれない」そんな言葉をかけれる。


でも、いつも最後には彼の誠実な優しさはちゃんと伝わった。

言葉じゃなく、心で伝えるんだ

重松さんのメッセージはここなんですね。


全7編

どれもよかった。

母親が息子を思う気持ち、「障害児」と先生に決め付けられて悔しくてガマンできずに

つっぷして泣くところで、私も泣いた。


「乗り換え案内」と「交差点」が特に良かった

男の子同士の友情、不器用で優しくて、そういうのに弱いのかもしれない

男同士はとくに、言葉にしなくても伝わることが多いのかな。

きよしの優しい気持ちがイイ。口が達者じゃなくたって、行動で態度で表情で

それは十二分に伝わるんだ


最後は、恋もして、これからは一人でやっていく。と決心するところで終わる

頑張って、と私も声をかけたくなる。


とーってもよかったです

老若男女だれにでも勧めることのできる、優しい物語

とてもお勧めです