こんな夜更けにバナナかよ | 野村孝博のブログ

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 渡辺一史著「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」を読みました。著者はフリーライターで、本書で講談社ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しています。

 

 本書が映画化され、そのCMとタイトルから内容を想像し、介助が必要な障碍者の方が、介助をしてくれる人に、夜中に「バナナを食べさせろ」と要求するというシーンが浮かびました。正直、介助されている人が、そのようなわがままじみたことを言うというのが、よく理解できず、気になってしまったので、映画を観てみようかと思ったのですが、原作の方を手に取りました。

 

 タイトルにある通り、筋ジストロフィーに罹患し、自分の指先くらいしか動かせない状態の鹿野靖明についてのお話です。人工呼吸器も必要な状態なのですが、それでも病院や施設にいたくなくて、在宅でボランティアによる介助で生活をしています。この時点でかなりハードルが高いことをやっています。母親と有償の職員もいるのですが、それでもここまでやるのは大変なことでしょう。人工呼吸器を使用するにあたっては、痰の吸引という作業が必要になるのですが、この痰の吸引は医療行為に当たるのだそうです。それをボランティアにやってもらおうと考える障害者なんていう存在は全く信じられませんでした。通常であれば、「医療行為が必要」という事実だけで、在宅の介助なんて言うのは諦めてしまうところなのでしょうが、そのハードルを超えてしまうのですから、凄いパワーを感じます。

 

先述した、私が理解できなかったような部分を、著者がしっかりと書いてくれていました。「普通はカラダが動かないと、人はそれを引け目に感じるものだ。他人の介助を受けることになれば、『申し訳ない』『お世話をかけて』という気持ちになるのが当然だろう。」とありました。「鹿野とボランティアの間にも、そうした雰囲気があるのだろうと思っていた。」と言うことでした。しかしながら、鹿野は介助の方法をボランティアに自ら教えて、教えた方に介助してもらうということを両立していた、語弊があるかもしれませんが「引け目を感じる」と言うところが無かったということです。だから、夜中にバナナ食べたいなんて言い出すのでしょうね。

 

このバナナというのは、エピソードのひとつに過ぎず、鹿野は非常にわがままなのだそうです。ボランティアに対しても「帰れ!」なんていうこともあるそうで、ボランティアの間では「鹿野に一回は『帰れ!』って言われないと一人前じゃないんですよ」なんて言われているということでした。

 

このあたりでは、鹿野とボランティアの関係性が理解しきれていない、いや最後まで読んでもきちんと理解できないのですが、長くなりましたので明日に続きます。