6月17∼22日は、一般質問でした。

私は、会派の中で一番最後でしたので、21日(火)7番目となりました。

5月中頃、文科省の通達を受け、枚方市教育委員会がプリント1枚を配ることによって、来年度から枚方市の支援教育の見直しをおこなうことを通知。内容は、支援学級での授業時間数を今までより大幅に増やし、週の半分以上を支援学級で勉強すること、これまでと同じように1日1時間の児童・生徒は通級教室へ移るように伝え、6月末には、来年度どうするか、を決めるように、とのこと。

ビックリするのは、支援学級在籍している保護者一人ひとりにちゃんと説明すべき内容であるにもかかわらず、プリント1枚配るだけ、ということ。通級教室は、全校に設置されているわけでなく、小学校では12校(13学級)/44校、中学校では2校/19校です。来年度全学校に通級教室を設置するよう努力するとのこと。

「ともに学び ともに育つ」理念には変わりない、と。

もちろん枚教組執行部もすぐに対応を始めました。

3年振りの枚教組大会においても、イレギュラ―の部分もありましたが、「新しい支援教育の方針」に対しての発言で盛り上がりました。

4月からの新しい尾川教育長は、文科省からの人です。枚方の前は箕面で副教育長をしていた人でもあります。

大阪の「ともに学び ともに育つ」教育、映画「みんなの学校、大空学校」で代表される大阪の支援教育のあり方、誇りを持っていたものでした。私の教員としての信条もそこにあり、それは今も変わりません。「みんなちがって みんないい!」

支援学校を選ばず地域の学校にあたりまえに入学し、地域で生きるを大切にしてきた保護者や子どもたちです。学校内に支援学校ができ、分断することが「ともに学び ともに育つ」の理念は変わらない、なんてどんな思考回路で言えるのか、理解ができません。

 

ということで、保護者の方たちから、それぞれ市議会議員にメール等があり、請願書も出されかけたところでした。

連合市民の会では、私がすべてを引き受け、一般質問を行うことになりました。

さすが、どの会派からも立ち位置は異なりますが、一般質問で取り上げられました。

この間、保護者等からの多くの質問を市教委は受けていましたが、その回答は、人によってまた日によって、異なったり、変化していったことは、支援級での授業時間数以外は、もともとちゃんとした内容でなかったことが明白で、学校現場に混乱を招いたあまりにも乱暴なやり方でした。

このことに関しては、議場で尾川教育長は謝罪しました。

 

で、私の一般質問要旨は

①学校へのエレベーター設置について

②新型コロナウイルス感染症に関わっての障害者支援について

③全国水平社創立100周年について

④枚方市人権尊重のまちづくり基本計画(案)について

 ⑴人権教育の推進について

 ⑵外国人の人権について

⑤枚方市の支援教育について

 

一般質問の時間は、原則双方向で30分です。会派内で調整ができます。いろいろ言いたいことが膨らみ、30分を大幅に超えそうになり、ヒアリングの通りにしなかったので、その担当部署の方には、申し訳なかったです。西田代表が短くしてくださったり、会派最後の私に残された時間は38分となりました。

時間切れで止められるよりはましと、随分早口になりました。支援教育については、言いたいことはしっかり言えたと思います。

支援教育に関心がある方や保護者の方たち等傍聴に来られていて、いつもの仲間以外にも多くの傍聴者で緊張してしまいましたが…

質疑内容全文は掲載できませんが、最後に、思いを込めた要望内容をここに掲載いたします。

 

 「押し問答をしても仕方がないと思うので、後は意見・要望とします。

 支援学級での教育課程の編成権も学校長にある訳なので、それはそれで各校一人ひとりの支援計画もつくられているわけですから、教育長一度確認されたらいいのではないでしょうか。ソーシャルスキルトレーニングやアンガーマネジメントなどは、障害のあるなしに関係なく必要に応じて学ぶべき内容だと思いますし、集団の中でもできることでしょう。

保護者も障害のある子どももあたりまえに地域で生きるために、地域の学校に入学されているのです。支援学校を選ばれたのではありません。それならば、通常学級での時間が多くて何が悪いのでしょうか。交流とか共同学習とか、そんな概念をもって、子どもたちは同じ学級で時間を共に過ごしているわけではないのです。子どもたちは障害の有無に関係なく、ともに学び、遊び、学級活動をしているのです。それが、社会の縮図である学校の風景ではないですか。でも、障害があることで、支援学級にも在籍し、そこで学ぶことも選んでいるわけですが、その時間が、週の半分以上というのは、通常学級の風景が変わるのではないでしょうか。半分以上ですよ。同じ教室にいなくなるわけです。分断されてしまうことになると思います。学校内に支援学校があるようなものではないでしょうか。あくまでも支援学校を選ばず、地域の学校にあたりまえに入学されている子どもたちです。子どもだからこそ、理屈ではなく、ともにいる時間・場所が重要なのだと思っています。それが少なければ仲間意識が希薄になるのではないでしょうか。

教育長は、先の答弁で、「真に『ともに学び、ともの育つ』教育とは、インクルーシブ教育システムの理念を踏まえ、障害の有無にかかわらず、すべての児童・生徒が自分の力を発揮し、互いの違いを認め合う集団作りであると考えており、」と述べられました。その集団作りとは、通常学級で行われると認識していますが、そこでは、クラスの子どもたちが、ともにいる時間と場所の質と量が私は必要であると確信しています。教員を22年半、障害のある子どもを担任していた経験がある私には、集団作りでは、その集団を形成する子どもが1年の間半分も一緒にいない中では、到底考えられないのです。一人でも欠けた集団作りはありえないのです。

私は、1980年に枚方市内の中学校に勤務しました。その時にはすでに、学級には障害のある子がいました。大阪では、その以前から、あたりまえに地域で生きるために、当時の養護学校ではなく地域の学校に入学できていたので、他府県から地域の学校に入るために、引っ越しをされてきた家庭もあったようです。保護者の運動もあった訳です。

大阪が早くから「ともに学び ともに育つ」教育をすすめてきて、やっと文科省が追い付いてきたと思っていたら、今回の支援教育の見直しは、逆行でしかないと、学校現場も保護者も思ってしまうわけです。

この見直しに際して、当事者である子どもの思いを考えられたことがあるでしょうか。ある保護者は、「今までより多くの時間を支援学級で過ごすことになることをどう説明していいのかわからない」とおっしゃいました。またある保護者は、「これまで一人ひとりの障害や困り事が違うのでそれぞれの個性に合わせた支援をしていたのに突然時間を増やすということ自体が一人ひとりに合っていないと思います、将来自分の力で生きていかないといけない子どもが普通のお子さんと過ごし協調性を養う時間をたくさん奪われることに意味を見いだせません。」とおっしゃっています。

そうですよね。一人ひとりを大切に、それぞれの特性に合わせた支援をしていたのに…です。画一的に時間数を週の半分以上にする、意味が分からないわけです。前にも述べましたが、現在は1日1時間以上支援学級に、ですよね。上限は設けておられないと思っています。それならば、必要とする子どもに時間を増やせばいいのではないでしょうか。要望していたのに増やしてもらえなかった、という声も聴いています。それは学校体制の問題で、それこそそのような学校に教育委員会が何らかのサポートをすればよかったのではないでしょうか。それを怠ってきたのかどうかは知りませんが、教育委員会の役割でもあると思います。「枚方市障害児教育基本方針」を策定すべきではないか、と12月議会に提言しましたが、今回の件で、まさしく必要であると思いました。

他市では、市独自で、必要に応じて入り込みも行い、そのために肢体不自由児の介助だけでなく学習支援についても障害児介助員を雇用されているところもあります。

地域の学校に通い、成人された障害のある娘さんがいる親御さんが、枚方市の障害児教育が変わることにびっくりして17日に傍聴に来られていました。当時のことを話されて、何ででしょうか、できることはさせていただきます、と帰っていかれました。

画一的な時間配分ではなく、もっと柔軟に一人ひとりのニーズにあった支援を行うべきであり、子どもたちを主体に考えるべきであると意見をのべ、これまで先輩の教職員が、そして、あたりまえに地域で育ってきた障害のあるひとたちやその親御さんたちが、枚方市で培ってこられた「ともに学び ともに生きる」教育を壊さないでいただきたいことを強調し、今後の支援教育のあり方について再検討されることを求めます。」

 

傍聴していただいた皆さん、ありがとうございました。

メール等で嬉しいお言葉をいただいた皆さんにも感謝しています。新たにパワーをいただきました! 返信できずに申し訳ございませんが、継続してとりくんでいきますので…。

 

一般質問に関しては、枚方市議会から動画配信されています。

野村いくよHPでも議会動画でアップしています。

 

 

 その後2回、市教育委員会は保護者向けに説明会を開き、動画配信もしました。QAも出されていますが、保護者にとって納得いくものとはなっていません。

その説明会でも、1回目と2回目の資料の一部が変わっていたり、グダグダです。一貫したものがない中で、時間数だけは保護者の思いを無視することに合点がいきません。何のための変更なのか、そもそも支援学校の教育課程を地域の学校内の支援学級に持ち込むこと自体が矛盾だらけではないでしょうか。

疑問点がまだまだいっぱいありますね。