好物
寿司が何より好きである。
しかも好きなくせにこだわりも無く、スーパーのパック寿司から回転寿司、普通の寿司屋と何でも食べる。
寿司屋は金銭的な問題もあり、ちょくちょく行けるものではないが、他ならかなりちょくちょく食べられる。素敵な世の中である。
先日、「今日の昼は絶対寿司だな」と、迷いもなく近所の回転寿司へ向かった。ここはいつも空いていて気楽に入れるのが良い。
案の定空いていたので回っている寿司さえ無く、「注文して下さい」と、厳ついオヤジに言われた。
何品か注文してあっという間に平らげ、追加で頼もうと厳ついオヤジを探すと何処にも居ない。あまりの暇さに厳ついオヤジは休憩へ行ったようであった。
まだまだ食べたい私は、「すいませーん」と店員さんを呼ぶと、今度はかなり線の細いのオヤジが出てきた。
ちょっと気になったので、線の細いのオヤジが握る寿司を見てみると手が震えている。嫌な予感的中である。
「んん・・・」と思いながら食べてみると、寿司に対してかなりのふり幅を持つ私でさえ、「ぬぬぬ」と思う寿司であった。
しかし「ぬぬぬ」と思いながらも、また何皿も平らげてしまい、空虚感満載であった。
「ぬぬぬ」の寿司で腹は一杯だが心までは満たされず、帰宅途中の車中でマナーの悪い車に一人怒りを爆発させた。
心が狭過ぎる。