心身のダイエットパーソナルコーチのパレオドクタ―崎谷です。

 

 

 

 

 

重症感染症のまたの名を敗血症(はいけつしょう、sepsisといいます。

 

 

 

 

 

敗血症では約1/3は血圧が低下してショック状態(副交感神経過剰刺激)に陥ります。

 

 

 

 

 

そして・・・・・・

 

 

 

一度ショック状態に陥るとその半数は死亡します。

 

 

 

 

 

運よくこのショック状態から回復したとしても、一部の人に記憶障害などの脳機能障害が起こることが知られています。

 

 

 

 

 

 

 

さて、今回この記憶障害の原因と突き止めたとする研究論文が発表されています(J Clin Invest. 2019 Apr 1;129(4):1779-1784)。

 

 

 

 

 

 

敗血症によって、全身に激しい炎症が起きます。

 

 

 

 

 

そうすると・・・・

 

 

 

 

 

血管を裏打ちする細胞から、複合糖質体である硫酸ヘパラン(グルコサミノグライカン)が血管中に放出されます。

 

 

 

 

 

この硫酸ヘラパンは細胞と細胞をつなぐ間質(かんしつ)の主要な成分であり、炎症が起こる(=糖のエネルギー代謝が低下する)と「炎症ゴミ」になることを拙著『新・免疫革命』でお伝えしたしました。

 

 

 

 

 

 

この血液中に放出された硫酸ヘパランは、脳に入って、記憶に関与するタンパク質(脳由来神経成長因子、BDNF)と結合してその機能を変性させてしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

このことによって、認知という脳の機能がダメ―ジを受けるということのようです。

 

 

 

 

 

一般に激しい炎症が起こると、間質も破壊されて硫酸ヘパランが放出されます。

 

 

 

 

 

この硫酸ヘパランが「炎症ゴミ」として認識されると、全身の間質に炎症が起こることになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全身の細胞と細胞の間の結合(膠、にかわ)に炎症が引き起こされる・・・

 

 

 

 

 

 

これを膠原病(こうげんびょう)というのでした。

 

 

 

 

 

自己免疫疾患とほぼイコールの言葉です。

 

 

 

 

 

 

実は、この研究論文を引用した記事の題名が悪辣(あくらつ)でした。

 

 

 

 

 

「ショ糖(sugar)が敗血症のあと脳に入ることで記憶がなくなる」という題目です。

 

 

 

 

 

私も最初はこの記事の題名を見てびっくりしました・・・(;^_^A

 

 

 

 

 

正しくは「硫酸ヘパラン」という細胞間質の糖複合体(炎症ゴミとなり得る)が脳に入るのであって、シュガー(砂糖、ショ糖)が脳に入るのではありません。

 

 

 

 

 

 

この記事の題名だけを見た人は、「糖は脳に悪い」という印象だけを受け取ってしまいかねませんよね(^_-)-