ゴールデンウイークが始まった。
釣り場にも人が多く訪れる。
この時期のスモールマウスバスは場所に固執しており、そんな魚を人より先に釣ってしまおうと29日暗いうちから出撃した。
先週3℃と2℃だった道路脇の温度計は9℃と7℃。
先週でも釣れたのだから、これなら大丈夫と安心して車を走らせていたら、事故の犠牲になったアナグマみたいな動物がセンターライン付近に横たわっていた。
アナグマの肉はすごく美味しいらしい。
そんなことを思い出してしまった。
そして川まであと少しという辺りのカーブを抜けた時、
( うぉい! )
道路の脇から中央へとキジが飛び立った。
[ バゴン! ]
( うわぁ )
[ゴゴゴゴゴ…]
エンジンのアンダーカバーやフロアに当たる音が前から後ろへと響いた。
きっと引き戸とドアレールの隙間に溜まった埃のように路面との間を転がっていったに違いない。
轢き潰してはいないが間違いなくご臨終だ。
「ごめんよ~」
ハンドルから両手を放す訳にはいかないので片合掌。
車の出現に驚いたとしても何でこっちに飛んだのか。
キジも鳴かずば、ではないけれど成仏を願うのみだった。
川に到着。
フロントバンパーを見るとバードストライクの痕跡が。
バンパー下部開口部のロアグリル右端に羽毛が結構こびりついていた。
適当に取り除いて良く見るとロアグリルが一部外れて奥へ入り込んでいる。
このまま形がついてしまうと綺麗にはめ直せなくなる。
差し込みのベロ部分が少し割れていたが、隠れる所なので気にしないことにして、とりあえずはめ直しておいた。
羽毛が少々残っているから後で改めて綺麗にしよう。
体の一部が千切れて挟まってなかっただけマシだ。
で、肝心の川の水位はどうなのかというと、前回より少し高かった。
しかし例年の朝イチポイントに魚が入るかどうかは微妙な水量だ。
それで全回同様、その対岸から開始した。
岩陰、反転流ともに反応なし。
下の深場の巻き込み周辺も同じく。
深場のポイントは初めて入った4年前には釣れたのに、岸の地形が変わったら全然釣れなくなってしまった。
一見すごく良さげなんだけどね。
次は前回釣れた岩撃ちエリアへ行った。
順番に撃っていき、
(あの岩だったよな)
と、先週釣れた岩へキャスト。
( ん!? )
根掛かり?
ラインを軽く張る。
やっぱり根掛かりか?
少し強めに引いたら、
〈グン!〉
( ! )
(あっ!)
魚だと分かった時には外れていた。
掛かっていないからまた食うだろう。
他の岩をチェックしてから再チャレンジ。
すると、
〈スーーー〉
とラインが動いていく。
ロッドを倒し、ラインが張ってきた時にフッキング。
[ジィッ!]
とドラグが鳴いたと思ったら軽くなった。
(わちゃぁ~!)
リールを整備した時にドラグの締め方が足りなかったようだ。
リールの調子は良好でダイワ病も発症しなくなったのは良いのだが…。
「マジかて、全く…」
ドラグを締め、またしばらく他の岩を撃ってから再々チャレンジ。
すると、今度も
〈スーーー〉
とラインが動いていく。
(ガッツリ食わせてやる)
ベールを返して充分に持って行かせて、
(もう良いだろ)
とフッキング!!
[スカッ]
(えぇっ!?)
手応えがない。
(何で!?)
リールを巻いても抵抗がない。
(切れたな)
巻いてくると予想通りで、岩に擦られてPEラインが切れていた。
(あ~あ…)
がっかりしたが、これは何としてでも釣り上げて外してあげなくては。
また同じくらい間を開けて、再々々チャレンジ。
しかし今度は反応が無い。
流石にもうダメかも。
仕方ない。
先に進んで前回釣れたもう1つの岩をチェック。
すると、ここでもラインが動いていく。
すぐにロッドに重みがかかったので、そのまま巻き合わせ。
(グイ~~~ン)
コイツは乗った。
先週の47.5cmと似たような引き。
上がった魚は47.5cm(笑)で1810g。
「いや~、良かった良かった!」
とりあえず良型が1本釣れてホッとした。
これは先週と同じ魚と思っていたが、ブログを書きながら写真を見比べたら別個体だった。
(5/8追記:よく見直したら先週の47cmと同じ魚だった)
取り込みで岸に戻ったついでに3回もミスった例の岩をまた撃つと、
〈スーーグゥーーーン〉
先の魚と同じく、ラインが動いたと思ったら重みが乗った。
巻き合わせ。
ロッドのしなりが大きくなる。
ようやく掛かった。
(よっしゃ、絶対上げなくては)
コイツはかなりパワフルで元気が良くて、スモールマウスらしい素晴らしいファイトをしてくれた。
岸へ引き上げる時に口から出ているPEラインが目に入った。
(よし、外してやるからな)
切られた時のフックは喉の奥にかかっていたので、フォーセップでフックとスワンプ、ラインを回収。
コイツも良型、47cm、2020gだった。
これは先週の魚と明らかに違う。
ようやく魚に動きが出てきたようだ。
とはいえ、これだけ岩があっても釣れる岩は限られているので、何が違うか分からないけど条件の良し悪しがあるのだろう。
岩撃ちチェックが終って、次は逆V字ゾーン。
しかし、食ってくるはずの2か所を通しても無反応。
回遊が来るかもしれないのでしばらく粘るが梨のつぶて。
(回って来ないのかな?)
(あそこに居たりして)
逆V字ゾーンの際にある大きめの岩の向こう側にスワンプを落とすとラインが動き出した。
(おお、居た~)
いつも通りの巻き合わせにロッドがしなる。
( ん? )
しなり具合がこれまでの魚とは違う。
(…大きいかも)
スピード感は先のより劣るが引きは重い。
岸へ向かいながらファイト。
幸い沈み岩に擦られることもなく危険地帯から引き出せた。
魚の向きに合わせてロッドを倒しながら引き寄せる。
〈バシャシャ!〉
魚の半身が川面から躍り上がった。
(うん、いいサイズ)
その直後、
〈ガン!ゴグン!〉
[ジィィィッ!]
強烈な突っ込みに手首が負けてドラグが悲鳴を上げる。
寄せ直す。
〈タパパーン!〉
魚が宙を舞う。
更に寄せる。
〈ゴン!ググン!〉
[ジイィッ!]
ロッドがのされドラグが鳴く。
そうこうしながら魚を無事に岸へ引き上げることができた。
下顎をつまんで持ち上げるとまあまあデカくて2kg有りそう。
良い所に掛かっていた。
それでももう1か所、岩撃ちエリアの対岸をチェック。