私は、和歌山の、熊野古道が連なる山に囲まれた場所で
生まれ育ちました。
川で泳いだり、外で遊ぶのが大好きな、おばあちゃん子でした。
時には厳しい自然と共存する、祖母や両親の姿から学んだことは
数えきれません。
自然に感謝を表す環境に癒しを感じながら、そこに住む生物、
特に、川や水田の水中に住む魚やエビ、タニシなどを
観察することが
楽しくて、いつまでも見つめているような子供でした。
絶え間なく、新しい命と別れゆく生物の姿を間近に見ることで、
自然の流れや力強さから、自分もその力を備えているんだと
信じる心を、気付かぬうちに持つようになったのだと思います。
私の家は、友人達から少し離れた地域だったので、
他の子たちの様に、一緒に歩いて帰ることが出来ずに
寂しく孤独な時もありましたが、
その代わりに、豊富な山菜の採れる野山、田畑が私の遊び場でした。
家の周りで実る柿や栗、そして梅、家族が育てる稲、
祖母が育てる新鮮な野菜が、食卓にいつも並んでいました。
立ち止まることのない自然の変化の中で過ごした子供時代が今の私の軸になっていると、ここに来て気付いたのです。
つづく、、、