皆さん、こんにちは。

いつもありがとう。

 

『謎とき日本近現代史』はじめに①の続きです。

 

ギザギザギザギザギザギザ

 

 つまらない歴史 
 

歴史は暗記という固定観念以外にも、

歴史には、大きな障害がつきまとっています。


それは、「歴史ってつまんない」という感覚です。


 歴史をつまらなくしている要因は何でしょうか。

おそらく、教師の力量・入試問題の現実、学生の関心度など

複合的な要素がからみあっていると考えられますが、

その主因は、

何といっても教科書にあるといわなくてはなりません。


しばしば、歴史の教科書には、

「現代社会をよりよく理解し、豊かな未来をきずくためには、

人類が歩んできた過去の歴史に学ばねばならない」

といった主旨のことが記されています。


教科書は学習の基本です。

高い決意を胸に、

400ページ近くもある教科書を懸命に読んでみます。

しかし残念ながら、

現代を理解し将来を考察することのできるような知恵(wisdom)は、

とうとう手にいれることができません。


この背後に、教科書採択システムの問題があることは

いうまでもありませんが、

それにしても現在の教科書は、限られたページのなかに、

多くの歴史事項を無理にもりこみすぎてしまっているようです。


このため教科書は、

複雑な出来事を深くほりさげた多角的な解説や、

歴史の陰影をくっきりと伝えるような豊かな叙述を欠いています。

そして何よりも、歴史には重大な「なぜ」があることを、

ほとんどまったく気づかせてはくれないのです。
 

 この本のスタンス 

 

僕は、予備校で大学受験のための日本史を教えています。


当然のことながら、

歴史を単なる暗記科目だと錯覚してしまった受験生や、

歴史のおもしろさをこれっぽっちも実感できないままでいる高校生と、

話をする機会に恵まれています。


もちろん、受験を前提にするかぎり、暗記は不可欠だし、

すべてがおもしろくなるなどと豪語することはできません。

でもこれ以上、「歴史ギライ」を育てたくはないのです。


この本は、そうした気持ちに支えられてできあがっています。

ただし、興味をかきたてたいからといって、

小話(こばなし)風のエピソードに頼るような手法は一切とりませんでした。

そんな小手先の戦術ではなく、

日本近代史のかかえる「なぜ」をキチッと提示し、

とりあげたテーマすべてを正面から突破してみようと考えました。


具体的には、
1の問い 日本はなぜ植民地にならなかったか

2の問い 武士はなぜみずからの特権を放棄したか
3の問い 明治憲法下の内閣はなぜ短命だったか
4の問い 戦前の政党はなぜ急成長し転落したか
5の問い 日本はなぜワシントン体制をうけいれたか
6の問い 井上財政はなぜ「失敗」したか
7の問い 関東軍はなぜ暴走したか
8の問い 天皇はなぜ戦犯にならなかったか
9の問い 高度成長はなぜ持続したか
という9つの「問い」が設定されています。


いずれも、歴史を学んだり教えたりしている過程で、

いつしか浮上してきた疑問ばかりです。

選択した「問い」は、学問的な視点からみても、

明確な論理を駆使して説明してみることが必要な、

比較的大きなテーマになっています。


本文をまとめるにあたって、

時間の許すかぎり最新の研究にも目を配るようにしましたが、

わかりやすさと読みやすさを最優先したため、

引用史料などをしめす注は省略されています。

かわりに、

歴史書案内を兼ねた《主要参考文献》を掲載することにしました。

巻末の年表も、全体像の確認に役だつと思います。


 どんな順序で読んでもらってもかまいません。

9つの歴史的「なぜ」との直球勝負を、

それぞれに楽しんでください。


 歴史を考えるアタマは、本物の刺激をほしがっています。

 

ギザギザギザギザギザギザ

 

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