問9 標準レベル

1920年代後半に展開された新平価解禁論について述べた次の文章を読み、空欄( Ⅰ )( Ⅲ )にあてはまる語句の組み合わせとして正しいものを、あとののうちから一つ選べ。

 

第一次世界大戦中の1917年、( Ⅰ )内閣は、欧米諸国にならって金輸出禁止を実施し、金本位制から実質的に離脱する政策をとった。

その後、1920年代に欧米諸国が金本位制への復帰を続々と果たしたにもかかわらず、不況と恐慌に苦しみつづけた日本は、金本位制復帰の時期と機会を見失った。

円為替相場は動揺と下落をくりかえし、金解禁断行直前の為替相場の実勢は、100円=46ドル前後になっていた。

 

したがって、井上準之助のいう旧平価(100円≒49.85ドル)での解禁は、100円=46ドル水準で計算すると8%以上、円を実質的に( Ⅱ )ことを意味し、それは価格面で( Ⅲ )効果を発揮して、ただでさえ国際競争力を失っている日本企業にいっそうの打撃を与える可能性が高い。

金解禁=金本位制復帰は、外国為替相場の実勢にあわせた新たな基準(新平価)を設定して実行すべきだ。

 

これが新平価解禁論者の主張であった。

しかし、円の国際的信用の確保を重んじた井上準之助は、この新平価解禁論に同意せず、金解禁を旧平価でおこなった。

 

 ( Ⅰ )―寺内正毅      ( Ⅱ )―切上げる      ( Ⅲ )―輸出抑制

 

 ( Ⅰ )―原敬           ( Ⅱ )―切下げる      ( Ⅲ )―輸入抑制

 

 ( Ⅰ )―寺内正毅      ( Ⅱ )―切下げる      ( Ⅲ )―輸入抑制

 

 ( Ⅰ )―原敬           ( Ⅱ )―切上げる      ( Ⅲ )―輸出抑制

 

出題の原則などについては、「早慶大受験・正誤判定新研究1(予告)」をご覧ください。

 

問9の解説解答は、「早慶大受験・正誤判定新研究11(問9を考える)」で確認してください。