今は当たり前になっていて、実は価値観の根底を洗脳されている事態が数多くあります。
例えば「企業」。

日本企業とは、その本分は国家貢献にありました。
が、今は『儲け』を本分としています。
価値観の根底が覆された一例だと思います。

日本人企業では国家貢献という本分の他、自己犠牲の上で尽くしてくれる社員に対する感謝があり、それは主に『賃金』という形で応え、また上司と部下はあたかも親と子の関係であり、思いやりに溢れた叱責もありつつ、部下を命懸けで守り、部下の結婚相手は上司が見つけて、その上司は仲人という責任ある立場を努め、部下と上司は厳しくも互いに尊重し合う、一致団結した関係でした。

労使という『契約関係』ではなく、気持ちが通い合う『人間関係』でした。

慰安旅行や歓送迎会、それは日頃の『人間関係』の上に成り立つ、お互いを思いやる気持ちの上にあるもので、セクハラを考える上司もいないし、女性社員は自分の意思でお酌をしていたものです。

また取り引き先とも『契約関係』ではなく『信頼関係』で成り立ち、長年の付き合い、お互い様という精神の元で、心が通い合ったお付き合いをしていました。
経費削減、コスト削減、そんなのではなく、共に栄えようという共存共栄の精神の元、十分な仕入れ価格で下請けも潤うようにと思いやり、下請けは無理難題があったとしても、親会社の繁栄の為に気持ちで応えたものです。

それが今はどうか。

経費削減、コスト削減、下請け泣かせも当たり前。
社内の雰囲気は心の通い合った関係ではなく、冷め切った契約関係。
セクハラもあればパワハラもある。
社員旅行に参加したいと思う気持ちも無い。

市場原理主義。
それをアメリカに押し付けられて、日本企業は冷淡な儲け至上主義に走る事が当たり前になり、円満な付き合いをしていた親会社と下請けは、それぞれが自社の儲けだけを考える拝金主義が日本企業に浸透し、今やそれが当たり前。

これは当たり前じゃないですよ、日本人気質としては。
これはアメリカに押し付けられ、知らず知らずに洗脳された市場原理主義という悪魔の価値観です。

中国進出?
コスト削減ですか?
そうして日本人企業の下請けをバッサリと切って捨てる。
おおよそ、日本人として義に反した拝金行為ですが、今ではそれが我が国の常識になりつつあります。

企業経営者、役員の皆さん、日本人魂に覚醒していただけないものでしょうか。
共存共栄、それこそが日本人魂ではありませんか。

取り引きのある下請けを潤わせ、時に無理難題を依頼しても、下請けも誠心誠意、それに応える。
気持ちと気持ちの関係。
これが我が国の本来の姿ではありませんか。

下請けの首を絞めてコスト削減ですか?
それは鬼のやる事ではありませんか。

日本企業を見捨てて、より安価な中国産鶏肉を仕入れるなんて、拝金主義そのものですし、そもそもお客様を無視した非道極まりない姿勢ではありませなんか?

日本人魂を覚醒させていただきたい。
大企業も下請けも潤い、相応の価格であっても消費者から信頼される。
それは外国人企業には無い、日本精神だと思います。

どうか大企業は大企業として、中小企業は中小企業として、日本人としての精神で経営していただきたく思います。

互いを尊重し、信頼してきた日本文化。
それを破壊するような消費者の疑心暗鬼を招いた相互不信の罪は、決して小さくないと思います。

消費者は価格ではなく、高価であったとしても信頼できる商品を期待しています。
アメリカの市場原理主義に決別し、我が国独自の信頼関係に立った経営体質を取り戻して欲しいと切に願います。
そうして我が国の中小企業も含めた全ての企業が潤い、そうする事で国家貢献できるのだと思います。

儲け至上主義の身勝手は懲り懲りです。
どうか我が国独自の共存共栄の精神に覚醒して欲しい。
切に願います。