こ~んばん~わ


 毎年、年末年始はアイドルにとって大忙しの期間だが、2024年から2025年にかけても多くの坂道メンバーが活躍した。毎年恒例の音楽番組やバラエティ番組、スポーツ番組など、多彩なジャンルの番組に坂道メンバーが出演し、年末年始の家族団らんに華を添えたのだ。本稿では年末から今年始めにかけての3坂道グループの活躍を振り返っていきたい。

乃木坂46



 12月だけを見ても、 37thシングル『歩道橋』のリリース、『乃木坂46 大感謝祭2024』の開催などグループの内的な活動に加えて、『2024 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)や『with MUSIC 2時間SP』(日本テレビ系)、『ミュージックステーション「SUPER LIVE 2024」』(テレビ朝日系)など、各局の音楽特番に出演し、リリースされたばかりの「歩道橋」をパフォーマンスするほか、『2024 FNS歌謡祭』では最新曲の「歩道橋」に加えて、乃木坂46の冠番組でMCを務めるバナナマン扮するフォークデュオ・赤えんぴつのステージでコラボを果たし、番組を大いに盛り上げた。



 その中でも忘れられないのが、『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合/以下、『紅白』)。10年連続10回目の出場となった『紅白』では、2024年にリリースした新曲ではなく、長くグループに受け継がれている楽曲「きっかけ」を届けた。2021年の『紅白』で「きっかけ」を披露した際は、当時卒業を控えた生田絵梨花を送り出す形でのパフォーマンスだったが、今回も年内でグループからの卒業を発表していた向井葉月にとってラストステージとなった。グループカラーでもある紫を基調とした洗練された衣装に身を包み、センターの遠藤さくらを中心に、井上和や池田瑛紗といった五期生が両脇を固め、後ろから三期生が支える。その構図はこの1年の乃木坂46のあり方を象徴しているようだった。今回の『紅白』のテーマは「あなたへの歌」。「きっかけ」の選曲は世間に向けたメッセージでもあると同時に、これから新たな未来へと進んでいく向井へ贈る歌でもあったのではないか。また、『紅白』では恒例となっているコラボステージも圧巻だった。特別企画「ディズニーファンタジーメドレー」では、Da-iCE、ME:I、Mrs. GREEN APPLE、LE SSERAFIMらとともに登場し、乃木坂46は映画『アナと雪の女王』の日本版主題歌「レット・イット・ゴー~ありのままで~」をパフォーマンス。井上、中西アルノ、久保史緒里というグループ屈指の歌唱力を持つメンバーのソロパートから、メンバーが合流する流れは美しかった。





 個人の活躍に目を向けてみると、『明日号砲!ニューイヤー駅伝2025』(TBS系)に佐藤楓、『おしょうバズTV』(テレビ朝日系)に菅原咲月、『秘密のケンミンSHOW極 新春2時間SP』(日本テレビ系)に佐藤璃果、『新春プラモ放談2025~新年開けましてプラモデル~』(テレビ東京系)に与田祐希がそれぞれ出演。与田はドラマ『量産型リコ』シリーズ(テレビ東京系)でも共演した田中要次と仲睦まじいトークを繰り広げながらプラモデルを作り、その光景はドラマシリーズのファンからするとたまらない瞬間でもあった。そんな与田は、ブログを通してグループからの卒業を1月5日に発表。2月22日、23日に開催されるみずほPayPayドーム福岡での卒業コンサートが最後のステージとなる。

櫻坂46



 櫻坂46は、『2024FNS 歌謡祭』、『CDTVライブ!ライブ!クリスマスSP』(TBS系)、『ミュージックステーション「SUPER LIVE 2024」』、『紅白』に出演。『2024 FNS歌謡祭』では、以前も金髪にして話題となった藤吉夏鈴が再び金髪スタイルになったのが話題となり、パフォーマンス以外でもBuddies(櫻坂46ファンの呼称)の輪では盛り上がりを見せた。11月に行われた『櫻坂46 4th YEAR ANNIVERSARY LIVE』を皮切りに、12月の『櫻坂46 10th Single BACKS LIVE!!』、そして続く音楽特番への出演など、多忙なスケジュールではあったが、櫻坂46のパフォーマンスの集大成をこの12月で見せられたはずだ。



 昨年の『紅白』では、藤吉をセンターに「Start over!」を披露。当時はまだ三期生は参加していなかったが、今年は満を持して披露曲でもある「自業自得」の選抜メンバーとして、三期生の山下瞳月、的野美青、村山美羽、谷口愛季、中嶋優月、村井優らが初の『紅白』のステージに立った。三期生が櫻坂46へと合流し、グループの主力へと成長したこの1年の櫻坂46の新体制を示す、意義深いステージだったように思う。本番で着用したホワイトの衣装は、櫻坂46の衣装を数多く手がけるRemi Takenouchiによるもので、「自業自得」の動きのあるダンスをより際立たせる美しいパフォーマンスだった(※1)。欲を言えば、櫻坂46メンバー全員に『紅白』のステージに立ってほしいというのが願いではあるが、年末にグループとしてNHKホールに立っているというだけでも喜ばしい。今年は1年かけてグループの選抜にどのような動きがあるのかも含めて、注目したい。



 また、『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)の特番には井上梨名が出演。レギュラー番組では『THE TIME,』(TBS系)に松田里奈、『ゴチャ・まぜっ天国!』(MBSラジオ)に武元唯衣らが出演し、正月から早くもトークを届けた。

日向坂46



 12月に加藤史帆、丹生明里、濱岸ひよりを見送った日向坂46。12月25日、26日に開催された『Happy Magical Tour 2024』の東京ドーム公演や『ミュージックステーション「SUPER LIVE 2024」』など、年末もライブや音楽番組への出演があったが、特筆すべきは東京ドームで行われた加藤の卒業セレモニーだろう。2022年3月に初めて東京ドームに立ってから、二度目の東京ドーム公演の夢を叶え、かけつけた大勢のおひさま(日向坂46ファンの呼称)からはたくさんの愛と感謝が加藤に送られた。丹生や濱岸と同様に、日向坂46への改名からグループをリードしてきた加藤の卒業は、グループにとってまたひとつ大きなターニングポイントとなることは違いない。1月25日には、東村芽依の卒業セレモニーも控えている。



 2024年は『紅白』への出場は逃してしまったが、それを補うかのように、年末年始はそれぞれのメンバーたちがバラエティ番組やスポーツ番組で活躍。『清水理央のCheer up!』(bayfm)や『日向坂46宮地すみれのレジェわん!』(tvk)、『日向坂46 竹内希来里の地元できらる』(テレビ新広島)、『日向坂46 平尾帆夏のひら砲らじお』(エフエム山陰)、『スポーツ リアライブ~SPORTS Real&Live~』(テレビ東京系)といった個人のレギュラーに加えて、四期生が出演する『大正製薬presents プレミアMelodiX!スペシャル2025』など、各期のメンバーたちもメディア出演しており、改めて個の強さの確立を思い知らされた。



 この年末年始の活躍で筆者が特に目を引いたのが、『千鳥の鬼レンチャン新春3時間SP』(フジテレビ系)に出演した富田鈴花と髙橋未来虹だ。2人の共通点、それは歌唱力の高さである。富田は、2024年3月にも同番組に出演し、「サビだけカラオケ」企画内で女性アイドル初の鬼レンチャンを達成。髙橋も舞台『ラフテイル・オブ・アラジン ~Aladdin and the Magic Lamp Story~』で魅せた声の良さやYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』にて上村ひなのらとともに「上を向いて歩こう」を歌唱するなど、屈指の実力を持つ。タッグでは初挑戦となる2人は、安定感のある歌声で次々とクリアしていき、10曲目のYOASOBIの「怪物」でも見事な歌唱を披露し、鬼レンチャンを達成する快挙を成し遂げた。富田と髙橋の相性も抜群で、この先デュエットで歌う姿も見てみたいと思ったのは筆者だけではないだろう。

 年始の活躍は特にその年の勢いをつけるという意味でも重要な期間である。年始に入ってから、乃木坂46から与田の卒業が発表。日向坂46からは佐々木久美、佐々木美玲、高瀬愛奈の卒業が発表され、これで一期生全員がグループをさることになった。しかし、この期間にどのグループも三者三様の活躍を見せたのは事実。幸先の良いスタートを切ったと言っていいだろう。

※1:https://x.com/remitakenouchi/status/1874288410921472489

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