果物たちが住む果物星で、突如戦火が上がった。3年にわたる干ばつの影響で取水源が干上がり、バナナ王国とりんご共和国の境界にある唯一の湖が係争地となる。土地分割の合意交渉は決裂し、バナナ王国が領土奪還を名目として武力侵攻を開始した。

 

 バナナはりんごに物量・質で劣るが、湖から流れる河川の下流域にあるブドウ連邦、キウイ王国と軍事同盟を結び、後背の憂いを絶った。対するりんごは海を隔てて協力関係にあるなし合衆国に支援を要請。合衆国は兵器供与という形で応答し、戦争は長期戦の様相を呈し始めた。

 

 バナナの高身長を活かした戦い方に当初は劣勢であったりんごは持ち味の堅さを活かして猛攻を防ぎ切り、兵站線の伸び切ったバナナ軍をじわじわと包囲していく。さらにブドウが政情不安定により戦闘から離脱。キウイは同盟国の劣勢を受け、単独でりんごと講和条約を結び、さらに一転してバナナに対し宣戦布告を行った。

 

 開戦から4年が経過した。終戦に向けてなしは派兵を開始。りんごは新型核兵器の投入でバナナ王国首都を陥落させた。バナナ国王は降伏宣言を出し、りんご側の勝利で終戦となった。後にりんご優位の形で、正式な水源地の利用権利について協定が策定された。

 ブドウ連邦は分裂・解体した。