こんにちは、スタルペスです。

 先日、福岡県八女市にある岩戸山古墳に家
内と一緒に行ってきました。今回で2度目の
訪問になりますが、以前来たたとき(15年以上
前)から様子が大きく変わっていて驚きました。

以前は少し古びた歴史資料館が古墳の南側に
ありましたが、今回訪問したら北側に近代的
な建物が建っていて驚きました。




この建物「岩戸山歴史文化交流館"いわいの
郷"」という施設になっています。

展示物も、ここ岩戸山古墳から出土したもの
に加え、この古墳も含む八女古墳群から出土
した土器や鉄製品等の様々なものが展示され
ており、中でも石製表飾品をは国の重要文化
財がいくつも展示しており圧巻の一語に尽き
ます。

また、この交流館では、岩戸山古墳自体も展
示品の一つとなっていような建物構造です。

中庭から資料館を望む

展示室のドアを開くと、そこに岩戸山古墳が
迫ってきます。この交流館の中庭が岩戸山古
墳になっている感じです。


交流館の中庭から古墳に向かいます。

岩戸山古墳は、墳丘の長さ135mの前方後
円墳です。周溝の外側に堤(外堤)をもち外
堤まで含めると優に170mを超える大型の
古墳と言えます。


外堤です。

岩戸山古墳を九州一と大声で言えないのは、
宮崎県の西都原古墳群にあるの女狭穂塚(め
さほづか)古墳が墳丘長176mで九州最大
の古墳となっているため、ここでは"最大級"
という表現にしたいと思います。


※後円部

 この岩戸山古墳は2段造成で、北東隅に「
別区(べっく)」と呼ばれる一辺43mの方
形状の区画を有する特徴を持っています。


※別区

被葬者は言わずと知れた「筑紫の君"磐井"」
と比定されています。

筑後国風土記には、この別区を「衙頭(がと
う)」と称しており、ここで裁判が行われた
との記録があります。

現在は、石人石馬(石製表飾品)のレプリカ
がこの別区に展示されており古代の九州独自
の文化と言えるものです。


※石人石馬

石人石馬は、この八女古墳群をはじめ、大分
県、熊本県の古墳に見られる特徴があり。人
物や動物の他、靫・盾などの器材の形も多く
あります。これらの地域では、埴輪の代わり
に石で表現したものだと考えられています。

この石人石馬は、主に阿蘇溶結凝灰岩が使わ
れています。

阿蘇溶結凝灰岩は、九州の多くの古墳で用い
られている石材で、阿蘇の火砕流堆積物から
できており、一般的に加工がしやすい石材と
して、石棺や石室に用いられることが多くあ
ります。




中でも宇土市の馬門ピンク石(阿蘇ピンク石
)と呼ばれる阿蘇溶結凝灰岩は、継体天皇の
陵墓とされる今城塚古墳の石棺に用いられて
いるのをはじめ、近畿地方のいくつもの古墳
で用いられていることが解っています。

この阿蘇溶結凝灰岩から九州の古代を探って
いくとこもまた古代ロマンに触れる魅力ある
入口のように感じます。