【書評】成毛眞他『賢人の読書術』
久しぶりに東京に来ています。 というか、先月25日に卒業式の為に上京しているので、正確には「久しぶりに東京に滞在している」というべきでしょう。 なかなか休みが取れない仕事、ということで私の職場は今週1週間休みです。 といっても、今週が休みになる代わりに先月と今月日曜に振替出勤があるので、別に羨ましく思わなくても結構です(^^;) さて、その休みを有意義に使おう!ということで、先月の29日から東京に来ています。 30日にはこれまた久しぶりにAeLL.のライブ(ファンミーティング)に行きました。 新曲を聴きました。久しぶりにAeLL.に逢いました。Be Choirの雅洋さんにも逢えました。 すごく充実した1日でした。 勿論、ファミリーにも1ヶ月ぶりに逢えたしね。 前回のAeLL.現場が篠崎愛ちゃんの生誕ライブ、そしてその前が「もしクワ」、ということでここのところ鶯谷にしか行ってねえ!と思いながらその日と翌日は南千住の安宿に泊まってました。 そして4月に突入した昨日は、約2ヶ月ぶりに4年間住んでいた下落合に。 4年間通った床屋で髪を切り(増税で値上がりしてました)、1年間通った接骨院でマッサージをしてもらい(新しい保険証になったのと増税でいつもより取られました)、また来るよー!と手を振って街をあとにしました。 宿泊地の赤羽に向かう前に、高田馬場のBOOK OFFに立ち寄りました。 上司(課長)から「この休みは本を読むことをオススメするよ」と言われていたので、実用書や自己啓発系のコーナーへ。 結局5冊ほど購入(旅先での荷物が増える羽目に)したのですが、まず1冊読了しました。 以下、書評(読書記録)です。(それが目的でブログを久々に開いてます。西恵利香さんの生誕とかもしクワとかの記事が完結していなくてごめんなさい笑)読んだ本…成毛眞他『賢人の読書術』(幻冬舎, 2013年)賢人の読書術/幻冬舎¥1,365Amazon.co.jp どんな本を、どんな風に選んで、どこに注意して読もうかな、というような事柄を確認するのが目的で購入。 内容的には平易で読みやすいです。全体的に当たり前のことと言えば、当たり前のことが沢山書かれてはいるのですが、自分の今後の読書方針を固めていくのに役立ちそうでした。 例えば、成毛眞氏が紹介している「超並列読書術」。 これは同じような本ばっかり読むのではなく、あらゆるジャンルの本を同時並行的に読むというもの。 得られる効果としては、幅広い教養・コミュニケーション能力(話題の広がり)・柔軟な思考・頭の切り替えスピードアップなど。 とにかく色んな本を読めよ、とは上司にも言われてきたことなので、これは是非実行しようと思ってます。 また、選書の仕方についても松山真之助さんを中心に色々と書かれてましたが、大凡実行してきた事柄だったので、これは大丈夫かな、と。 あとは藤井孝一氏・平野啓一郎氏が論じていましたが、重要な部分に線を引いたり、キーワードをくくったり、逆説の接続詞に気を付けたり… これらはモロに国語の指導に生かせる事柄だと思うので、思う存分実際に使っていくつもりですよ。 その観点でこの本にも色々書き込んでいったら、内容がスッと頭に入ってくるような気がしましたしね。 ここからは本書の矛盾点についてです。 この本は、成毛眞・松山真之助・藤井孝一・中島孝志・平野啓一郎の5人の「賢人」による読書術の紹介という構成を採っています。 よって、それぞれの読書術に共通する事柄(方法)がある一方で、殆ど真逆のことを言っている事柄もあるわけです。 まず1つ目が、平野氏以外は「スキマ時間」の活用、「あいま読み」「ながら読み」あるいは「つまみ読み」といった効率的な読書術を提唱している一方で。平野氏は「スロー・リーディング」という1冊の本に時間をかけ、じっくりと読む方法を提唱していること。 これは同氏のみが小説家で、あとの4氏がバリバリのビジネスパーソンであるということが原因なのかもしれませんが、とにかく正反対のことを言っています。 まあどちらの言い分もそれなりに理屈が通っているので、どちらがどうとは言えないのかもしれませんが、私としては「スロー・リーディング」はしたいのは山々だけれども、そうは時間が許さないということになるのかもしれません。 といっても、「前に、前に」ではなく「深く」読み込んでいくべきだ、という平野氏の主張には首肯するわけですが。 もう1つの明らかな矛盾点が、成毛氏が「目的意識・問題意識をもって本を読む」ことはやめなさい、と言っているのに対し、中島氏が「目的を明らかにしたうえで本を読む」ことを推奨していること笑。 一体どっちやねん!とツッコミを入れたくなるところですが、成毛氏は「超並列読書術」の提唱者であるので、1つの目的に囚われて同じような本ばかり読んでいてはいけないよ、と言っているようです。 本書でもちょうどそんな実例が紹介されていましたが、確かに何か仕事につながるアイデアを生み出そうとして同業者の本を読んでも、それを超えるアイデアは生まれてこなさそうですものね。 勿論、参考にすることやそこから学ぶべきことも戦略上それなりにあるとは思いますけど。 ということで、ある程度目的をもって本を選び(探し)つつ、それ以外のところにも案外ネタはいっぱい落ちているわけだから、そのジャンルだけに囚われんなよ、自分の可能性を勝手に自分で決めつけんなよ、っていう風にまとめられると思います。 あともう1つ悩ましいのが、「音読」に関する平野氏の指摘。 最近薦められて、齋藤達也氏の本を読んだのですが、1日1分の音読で国語の成績は必ず上がる!/あさ出版¥1,470Amazon.co.jpまあタイトルから分かるように「音読のすゝめ」なわけです、カンタンに言うと。 ただし、今回読んだ『賢人の~』では平野さんがやんわり「音読」が「スロー・リーディング」に不向きであることを書いているわけです。 あくまで、スロー・リーディングに~ということですが、たしかに音読は本を選ぶし、たとえ教科書の内容や短い文章であっても、最後まで読み切らないことには振り返って読むことはできないし、上手く読むことに一生懸命になると内容が入ってきません。 齋藤氏はたしか音読のメリットとして、国語の問題読解に欠かせない「読む体力=問題文を読み切れる力」がつくことを第一に掲げてましたので、そこが既に出来る人には音読は向かないのかもしれません。まとめ これからの読書方針を立てるのに、私にとっては役立つ1冊だったと思います。 特に、 ・様々なジャンルの本を読む!(=超並列読書術) ・ビジネス本や新書は重要な部分等にマークする! ・読書日記をつける!などは採用したいと思います。 また、 ・重要な部分にマーク! ・キーワードをくくる! ・逆接の接続詞/「つまり~である」/指示語etc.などをチェック!などは誰にでもお薦めできる読解の方法だと思いますし、 「80:20の法則」=「パレートの法則」もすぐに使えるネタだと感じました。 BOOK OFFで買った本はまだ4冊あるし、岐阜から持ってきた小説も伊坂さんの『首折り男のための協奏曲』は読了したのですが、誉田哲也さんの『レイジ』はまだなので、休みのうちに読み切っちゃおうと思います。