僕は全盲で車いす。
僕は、5月に京都で開催される
パラ・パワーリフティングチャレンジカップの
視覚障害部門にエントリーしている。
パラ・パワーリフティングには
下肢障害部門と視覚障害部門がある。
下肢障害部門は足を固定し、上半身の力だけで重りをあげます。
視覚障害部門は足を固定せず、足の力も使って重りをあげます。
僕には、下肢障害も視覚障害もあるため
トレーナーさんとも話し合って
視覚障害部門に出場することにした。
ただ視覚障害部門がある大会は
京都で開催されるチャレンジカップだけ。
昨年失敗に終わってしまった重量75kgは
完璧に挙げられるようになり、
僕の課題だったバランスも克服していた。
今大会は、80kg以上の重量を挙げることを
目標にして年に一度しかない大会に向けて
トレーニングしてきたのだが・・・
ここに来て、まさかのスランプに陥っている。
トレーナーさんの指示のもと
話し合いながら色々と試してみるのだけれど
今月に入ってから、状況はどんどん悪化
80kgどころか、完璧に挙げていた75kgさえ
数回に一回挙がるかどうかという状態に加え
克服していたはずのバランスも崩れてしまうのだ。
競技では、たとえ重量は挙げられたとしても
綺麗に挙げられないと、失格になってしまうのだ。
色々試したり、調整したりするのだけれど
何をやっても上手く挙がらない。
トレーニングが終わると、僕とトレーナーさんは
首を傾げながら、「なぜだろう?」と
問題点を探る。
オーバーワークになっているのか?
同行援護をやめたことで、
トレーニングの時間が減ってしまったからなのか?
いや、そんなことはないはずだ。
体重を落としたことが影響しているのか?
でも、体重を落としてからの方が調子が良く
バランスも取れていたし、重量も挙がっていた。
などと、原因が全くわからない。
この時期に、なんでよぉ〜
と思う僕たちなのでした
そんな僕たちを見て彼女は
「まっ、ここで無理してトレーニングして怪我とかしたら元も子もないから、今は普通にやれることをやるしかないでしょ」
といつもながら冷静な彼女なのであった
ちなみにトレーナーさんは、彼女の息子さんです。
『この二人(のぶくんと息子)、自分たちに甘いからな。そこが一番の問題点か知らんけど』byさち
※このお話はノンフィクションです。