マンションの斜面崩落で犠牲者が… | 廣田信子のブログ

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こんにちは! 廣田信子です。

 

2月5日午前8時ごろ、

逗子市池子2丁目の市道脇にある斜面が崩落。

 

そこを歩いていた高校3年の女子生徒が巻き込まれ、

亡くなるという痛ましい事故がありました。

 

崩落した斜面の所有者は、

その上に経つマンションの管理組合(区分所有者)ですから、

 

昨日、マンション管理関係者の間では、

その話でもちきりでした。

 

報道されている内容をまとめると、

 

崩れたのは1950~60年代に造成されたとみられる

高さ約15メートルのマンション下の斜面で、

 

下部の6~7メートル分は石積みの擁壁で補強されていて、

その上の崩れた部分には擁壁はなく土のままで、

最大で60度の傾斜があったといいます。

 

その擁壁上のむき出しの斜面が

幅約7メートル、高さ約6メートルにわたって崩落。

 

その下を通る市道に

重さ約68トンの土砂が降り注いだのです。 

 

崩落した斜面は、

崖崩れなどによって災害が起きるおそれがあるとして

「土砂災害警戒区域」に指定されていました。

 

擁壁のある土地は、

その上に立つマンションの敷地(私有地)ですから、

安全対策などはマンションの区分所有者(管理組合)が

責任を持って行うべきこととなります。

 

市は、5日午後にはマンション管理会社と面会し、

現場の安全確認や今後の安全確保策を要望した…と。

 

思いもかけない事故に、

住民や管理組合の理事長が受けた衝撃は、

どれほどだったかと思います。

 

若い命を奪ってしまった事故を、

どう受け止めていいのか分からない状況ではないかと想像します。

自分たちのマンションの安全性も不安です。

 

神奈川県の中でも、横須賀、逗子など三浦半島の地域は

平地がないため、山を切り崩して宅地造成したところが多いです。

 

神奈川県によると、去年の年末の時点で

「土砂災害警戒区域」として

1万466カ所が指定されているのです。

 

この地域に伺うと、

狭い土地にマンションを建設していて、

 

擁壁の上や、擁壁を背負って、または斜面を利用して、

建てられているマンションが多いことに気づきます。

 

正直、大きな地震や集中豪雨があったら、

ちょっと怖いな~と感じることもありました。

 

ネット上には、すでに、ストリートビューで、

崩壊前の現地の様々な映像が上がっています。

 

土木関係の方は、この映像を見て、

土留め石積みの角度が急勾配で高さも高過ぎる。

石積みの上の法面も土がむき出しなのに勾配がきつい。

本来なら建築許可がおりないのではないか…と。

 

現在の神奈川県の建築基準条例では、

近くに勾配が30度を超え、

高さが3メートルを超える傾斜地があり、

 

崖の端からの水平距離が

崖の高さの2倍以内の場所に建物を建設する場合、

 

斜面に擁壁を設けるなど、

防災対策をとるよう定めているといいます。

 

今回の逗子のケースは、

そういった基準ができる以前からあった古い擁壁に、

そのままマンションを建設したように見えます。

 

基礎のくいの打ち方等で

擁壁に負担を掛けないと認められると、

それでもクリアーできてしまうというのです。

 

建築基準法は、

建物の安全性を守ることを目的としているため、

条例違反には当たらない…

と県は言っているといいます。

 

法的には申請が通るかもしれませんが、

そんな事情をマンション購入者は知らない訳で、

安全だと信じて購入しているのですから、

 

ディベロッパー、建築会社の責任は大きい

と思わざるを得ません。

 

それにしても、穏やかな晴れの日に

いきなり斜面が崩落したのはなぜでしょうか。

 

原因の調査はこれからですが、

専門家の見解としては、

 

過去の雨や地震などで斜面全体にひずみが徐々に蓄積され、

それが限界になったのではないか。

 

上のマンションの水道や排水管からの水漏れなども

原因になる可能性がある。

 

現場は下の部分に石積みの擁壁があり、

上の部分はむきだしになっている。

このようなつくりでは上の部分が相対的に緩くなるので、

そこが崩壊したのではないか。

 

土砂緩んでいると、下の道を大型車両が通過するなど、

ちょっとした振動が引き金になることもある。

 

最近、関東で地震が続いたので、

それが最後の引き金になったのではないか。

 

等々が言われています。

 

この事故に関して、

斜面下の市道を管理する市は

崩落などの危険の予兆は、特に把握していなかった、

昨年秋の台風でも崩落などの被害はなかった…としています。

 

ということは、

斜面・擁壁を抱えるところは、

いつ、自分のところで崩落が起きても不思議はないのです。

 

 

一番の問題は、斜面が民有地の場合、

斜面が崩れる可能性があることや、対策をとる必要性などを

管理責任を持つ住民が把握していないことです。

 

斜面・擁壁を抱えるマンションは、

これをきっかけに、

そのリスクを正確に把握することが必要になります。

 

住民も不安でしょうから、

ディべロッパー、建築会社、管理会社が総力を挙げて、

調査を行い、住民に説明してほしいと思います。

 

その上で、危険があると判断したら、

行政と連携して早急に対策を進める必要があります。

 

今回の事故に関しては、これから

管理組合、ディベロッパー、管理会社、行政等関係者の間で、

責任の所在について様々なせめぎあいがあると思いますが、

 

責任の押し付け合いでなく、

早く対策に進んでもらいたいと思います。

 

擁壁の老朽化は進み、

地震の発生危険や

集中豪雨、台風の激しさは急速に増しているのですから。

 

 

2018年6月18日に発生した大阪府北部地震で、

ブロック塀が倒壊し、

登校中だった4年生女児が下敷きになり亡くなった事故のことが、

頭をよぎりました。

 

この事故をきっかけに、

国土交通省は全国でブロック塀を調査し、

ブロック塀の安全対策に本格的に着手しました。

 

ブロック塀の所有者・管理者が

安全対策を怠ってはならないのと同様、

 

今後、斜面・擁壁の所有者・管理者に、

安全対策が本格的に求められるはずです。

 

といっても、

行政の支援がなくては、安全対策は進みません。

 

 

崩落事故の犠牲になった女子高生の方は

ほんとうにお気の毒です。

 

せめて、この事故をきっかけに

斜面・擁壁の安全対策が進むことを祈ります。

 

犠牲者が出ないと対策を本気で考えないという国の姿勢に、

納得いかない思いは消えませんが…。

 

 

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