若い新住民ががんばるなんてうらやましい | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
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こんにちは! 廣田信子です。

 

日経新聞(10月25日)に、

新旧住民で利害が異なる場合の総会合意

に関する記事が掲載されました。

 

その中で、

東京都心の高級住宅地にある築50年のマンションで、

「耐震改修工事」を実施するかどうかで、

新旧住民で対立があってたいへんだった。

 

70~80代のその当時の理事らは、

「耐震補強が必要な物件と周知されると資産価値が下がる」と反対。

 

これから長く住む子育て世代の新住民の多くは、

耐震改修工事に賛成。

 

議論が噴出したが、最終的には

耐震改修工事賛成派の新住民が理事に選任され、

耐震改修工事が実施されることになった

という事例が紹介されていました。

 

その記事を読んだ方から、

私に、メールがありました。

 

なぜ、私にメールか…というと、

その記事の中に、私のコメントがあったからです。

 

その記事全体の論調は、

理事長への委任状はダメで、

議決権行使書でちゃんと賛否をとるべき

ということで、

 

私のコメントとされているものも、

総会に掛ける前に

きちんと住民の意見を聞くことが重要という部分は

まったく抜けていて、

本意ではないのですが…

 

メールの内容は、

私のコメントとは無関係のところでした、笑

 

メールをくれた理事さんは70代後半。

 

マンションの耐震性を確保して、

次の世代につなぎたいと思って

耐震改修工事を検討してきたけど、

 

新たに入ってきた若い世代の関心が薄く、

費用負担と外観が変わることに賛成が得られない…と。

 

この記事のように、

若い新住民が率先して理事になって

耐震改修の合意形成をする…

 

そんなことがあるなんて、うらやましい。

 

どうすれば、若い人が自ら理事になって

マンションの未来を担ってくれるようになるんだろう…と。

 

 

この記事のマンションは、都内一等地の高級マンションです。

中古で購入された若い世代の方々も、

リノベーション費用も含めかなりの高額で購入されたはずです。

 

もちろん、

それだけの負担ができる経済的に余裕がある方たちでしょう。

 

その購入費用からみたら、

耐震改修工事にかかる戸当たり数百万円は、

そんなに大きな額ではないのでしょう。

 

むしろ、それによって、

将来の安心が担保されるなら実施するべきで、

耐震改修工事によって資産価値も上がるはずと

思えるのだと思います。

何しろ、都内一等地ですから。

 

で、いざ決まれば、反対していた人たちも、

費用負担は何の問題もないでしょう。

 

どうしてもいやなら、売却すれば、高いお金で売れます。

 

 

では、かなり価格が下がっている

郊外の高経年マンションではどうでしょうか。

 

市場価格は

記事のマンションのたぶん1/5~1/4程度ではないかと。

 

市場価格に比べて、

耐震改修にかかる費用が大き過ぎるのです。

 

新築売り出し時の価格、

バブル期の価格を思うと、

その当時購入した方々は

経済的に余裕がある方が多いのだろうと推測します。

そして、この年代の方は、

年金生活もそれなりに余裕があります。

 

その方々が管理組合運営を担っているのです。

 

住み慣れたいいコミュニティで、

安心して住み続けられるようにしたいという思いもあり、

自分たちが元気なうちに耐震改修をという話が

もちあがるのでしょう。

 

でも、価格がかなり下がってから購入した人たちは、

その価格(ローン)と管理費等の負担額を第一に考え

購入されているケースが多いと思います。

 

子供の教育費等一番お金が掛かる時期でもあり、

そこに、負担増は困ると思うのかもしれません。

 

仕事も一番忙しい時期で

管理組合の役員どころじゃない…ということも。

 

メールをくれた理事さんは言います。

 

自分たちが理事をできるのも精々あと5年。

 

これまで、

もうこのままでいいじゃないかという高齢の人たちを

何とか引っ張ってきたけど、

 

若い世代にその気がないなら、

このままでいい…ということになり、

耐震改修の合意形成の可能性は限りなくゼロになる。

 

耐震性が不足しているマンションに、

これからの修繕にどれだけお金を掛けるのか…

 

合意形成はよりたいへんになるが、

自分たちが引退したら、

若い人たちは、ちゃんとやってくれるのだろうか…と。

 

 

「資産価値」「市場価値」という言葉はきらいで、

住んでいる人の居住環境をよりよくすることが管理組合の目的だ

という声をよく聞きます。

 

私も、その通りだと思うのですが、

 

一方で、

否応なしに、居住者は入れ替わります。

次にどのような居住者が入ってくるかは、

市場で、いくらで売買されるかということと

無関係ではいられません。

 

そして、

今は若い新住民の人たちもいずでは年を重ね旧住民になります。

 

私は、メールの理事さんには、

 

若い新住民も、

いずでは自分たちの問題と認識せざるを得ない日がきます。

 

その時に、

だからあの時自分たちが言ったのに…なんていわずに、

若い人たちのやることに協力しようと腹をくくっていれば、

それでいいんじゃないか…と。

 

ピンチを経験せずに、

うまく順調に継続していきたいと思っても、

なかなかそうはいかないのが管理組合運営です。

 

むしろ、定期的にピンチがあって、

管理組合もその度再生していくというのが普通なのかもしれないと、

このごろ思います。

 

 

昨日の記事でも、

A理事長は、

管理組合のピンチに改革派として登場したのですが、

10年たてば、管理組合運営は安定します。

 

次を担ってくれそうな若手に任せたいと思っても、

70歳代の人を中心に安定した運営ができているときに、

次世代にポンととんでいくのは、

なかなか難しいのかもしれません。

引き受け手はいないでしょう。

 

理事長が、次の世代に引き継ぎたいと思っていることが、

まだまだやれると思っている一部高齢理事の

反発につながったのかもしれません。

 

一度、また、ごたごた期を経て、

それを見かねた次の世代の人たちが自ら手を上げ、

ごたごた組はみな引退し、新たな体制ができる。

 

自立した経営的管理をしている大型マンションは、

それを繰り返していくのかもしれません。

 

そう思えば、

ピンチを心配することはないのです。

ピンチは新たな起点なのです。

 

 

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