マンションに困っている人はいない? | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
一人ひとりが自分らしく活躍しながら、力を合わせることで豊かに暮らす、新しいコミュニティ型社会を目指して・・・

こんにちは! 廣田信子です。

 

高経年マンションで

管理組合運営の中心になっている70歳代以上の方は、

恵まれた年金生活の方が多いと感じます。

 

生活が安定していなければ、

管理組合の役員どころじゃないので、

当たり前と言えば当たり前です。

 

先日、

管理費+修繕積立金の額がいくらまでなら、

年金生活でも負担できるか…

ということが話題になりました。

 

年金生活と言っても、

大企業に勤めていて老齢厚生年金も企業年金も

しっかりもらえる人と、

 

ほとんど老齢基礎年金のみ(ほぼ国民年金だった)

という人とでは、月々の年金収入が違うから…

と私が言うと、

 

うちのマンションには、

国民年金だったという人はいないから…との声が。

 

確かに、当時、それなりの価格のマンションを、

ローンを組んで購入できた人は、

安定した収入がある大企業や役所勤めの方が圧倒的に多いでしょう。

 

でも、「いない」…ということはないと思います。

 

同じようにマンションに暮らしていても、

厚生年金に加入していた期間はほんとうに短くて、

ほとんどが国民年金という人も少なからずいるはずです。

 

私が直接、間接で知っている方の中にも…

 

早くに会社を辞めて独立したので、

厚生年金が少なくて、年金はあてにできないから、

できるだけ仕事をしたいという方がいます。

 

離婚して年金を元妻と分割したので、

年金暮らしが厳しいという人もいます。

 

離婚で家はもらったけど、

生活がぎりぎりというシングルマザーの方もいます。

 

「ひきこもり

(この表現がいいかどうかは議論があるでしょうが、

仕事に就かずに、ほぼ自宅にいる状況が続いている)」

の中年の子供を抱えていて

年金生活がやっとだという方もいます。

 

 

私は、年金の話題へのみなさんの反応を見ていて、

 

高齢世帯でも、

ローンの返済が終わって

安定した年金生活をしている人がほとんど…

というマンションの環境で、

 

月々の管理費等の支払いが苦しいのという人は、

なかなか声を上げにくいだろうな…と感じました。

 

だから、

そういう人の姿は、周りに見えにくいんでしょうね。

 

でも、考えてみてください。

 

世の中に存在するいろいろな事象が

マンション内にはないという方が不自然です。

 

マンションに暮らしている方の中にも、

いろいろな事情を抱えている人がいるのは、

当たり前ではないか…と。

 

自分が、直に知っていなくても、

そういう方もいるかもしれないという想像力を

ぜひ持ってほしいと思いました。

 

大きな金銭的な負担や転居の負担が伴う合意形成は、

声に出しにくい事情もあることを慮って、

 

それぞれに対処する方法をきちんと最初から検討しないと、

最終的な合意形成に至りませんから…。

 

やはり、

マンションを所有して暮らしている高齢の人は、

安定した生活を送れる方が多いな~と

あらためて思います。

 

だからよけいに、その中で、

厳しい状況にある人のことが気になるのです。

 

私は、特に、

ひきこもりの人たち、

その親、親亡き後の子どものことが

気がかりです。

 

安定した生活をしている人がほとんどの環境では、

SOSが発しにくいのです。

 

私の知り合いも、

わが子がひきこもっていることは周りに言っていない…と。

 

そして、きっと、

周りに何となく気づいている人はいるでしょうが、

 

本人が話さない限り、気がつかないふりをしている…

というのが、マンション暮らしのルールなのでしょう。

 

だから、正面切っての話にはならないのです。

 

今年(2019年)、3月29日に、内閣府は、

「40から64歳のひきこもり状態の人が全国で、

61万3000人いると発表しました。

 

しかし、ひきこもりの実態は、

この数字よりはるかに大きいとも言われています。

 

秋田県山本群藤里町(人口3200人、高齢化率43.3%)で、

2010年、ひきこもりと長期不労働者の実態調査が行われました。

 

ひきこもり状態か否かにかかわらず、

「18歳以上55歳未満で、

定職を持たずに2年以上経過した人すべて

(学生や専業主婦を除いく)」を把握しようとして、

 

地域から情報を得たソーシャルワーカーが、

一軒、一軒確認したのです。

 

調査前、20~30人と見込んでいたのに、

高齢化が進んだこの町で、「ひきこもり(長期無職者)」が

113人もいたのです。

 

対象年齢に占める「ひきこもり」比率は8.74%、

男性が女性の2倍でした。

そして40歳以上が半数以上を占めます。

 

しかも、内閣府調査では、

対象は、64歳まで、ひきこもり6カ月以上でしたが、

 

藤里町調査では、

対象が、55歳未満、かつ2年以上のひきこもりと、

要件を絞っているのに、この数字なのです。

 

この割合を当てはめると、

日本の18歳以上55歳未満の5703万人の8.7%は498万人。

何と、「ひきこもり」は500万人になります。

 

(藤里町調査に関しては、

橘玲氏「上級国民/下級国民」を参照)

 

8050問題(80歳代の親と50歳代のひきこもりの子供の生活破綻)

が大きく取りあげられていますが、

なかなかマンション内のこととしては話題になりません。

 

ひきこもっている50歳代の人は、

あと10年経つと、

60歳代になって親亡き後一人残されることになります。

 

10年前は、

マンション内の認知症の高齢者問題が、

まだまだ理解されにくかったのが、

今では、どのマンションでも抱える問題になったように、

 

中年から高齢に差し掛かる

マンション内のひきこもりの人への対応が、

10年後には、大きな課題になっている予感がします。

 

マンションが、多様な事情を抱える人が

SOSを発しやすい環境になっていくために何ができるか…

改めて考えさせられました。

 

 

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