「リノベーション」第一号の気配りがその後を左右する | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
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こんにちは! 廣田信子です。

 

9月19日の記事

「リノベーション」がマンション全体の価値を上げる?

https://ameblo.jp/nobuko-hirota/entry-12406001152.html

 

をきっかっけに、

高経年マンションの「リノベーション」に対しては

いろいろなご意見があります。

 

大きくは4つで、

 

1つ目は、

「リノベ―ション」の工事は長期間にわたり、

工事中の振動、騒音は他の居住者には大きな負担で、

それが、紹介されたマンションのように次々に続くようだと

他の居住者の迷惑はどうなんだ。

本当に受け入れられているのか。

 

2つ目は、

大きく間取りや仕上げ材を変えることで、

下の階や隣接住戸に

騒音、流水音等でトラブルになるのではないか。

 

3つ目は、

旧耐震マンションを耐震改修なしに

専有部分を「リノベーション」して大丈夫か。

 

4つ目は、

専有部分をいくら「リノベーション」しても、

共用部分の配管等もきちんと更新されていないと意味がない。

そのことはきちんとチェックされているのか。

 

 

というものです。

 

すべて重要なことです。

 

1つ目、2つ目については、

「カンブリア宮殿」で紹介されていたマンションの関係者に

話を聞く機会がありました。

 

間接的な話にはなりますが…

 

最初の「リノベーション」が

業者まかせでなく、本人がまわりにも気配りして

非常に丁寧に実施され、

 

しかも、変身したリノベ後の出来栄えが見事で、

それがまわりの住民にお披露目されたため、

 

「リノベーション」に悪い印象を持たれなかった。

むしろ、高経年でもこんな可能性があるんだ…と

住民にも希望を与えたようです。

 

次々と「リノベーション」が続いたのは、

そのリノベ住戸を見て、中古で購入した人ばかりでなく、

そこに住み続けている人も、

これを機にリノベをしようと考えたことも

あったといいます。

 

で、次々に「リノベーション」が続いたようです。

 

その背景として、

高経年ではあっても、立地がよく、

もともと経済的にゆとりがある層が購入していて、

 

やろうと思えば、

1000万円のリノベ費用を出すのは難しくない…

という方々が居住者に多いということもあるといいます。

 

で、居住者がリノベをするのですから、

工事中の近隣への気配りや

騒音の迷惑が出ないような設計の配慮は、

されているようです。

 

でも、工事が続くと迷惑だという人も出るんじゃ…

というと、

 

みんないずれは自分のところも実施するのだから

お互い様ということで、苦情はあまりなくて、

 

リノベ後の住居を公開している人が多いから、

いずれ、うちもこんな風になるんだと

前向きに受け止められているみたいだ…と。

 

ここから学べるのは、

 

第一号の「リノベ―ション」が

いかに大事かということです。

 

ここで、周りにしっかり気を配って、

工事中も工事後も

迷惑をかけない(迷惑と感じされない)ような

やり方をするかどうか

 

これがその後に大きな影響を与えるのです。

 

だから、業者任せでなく、

本人がちゃんと管理組合や近隣に関わることが重要なのです。

 

同じ騒音でも、

相手の顔が見えない、接点もないことが、

迷惑だと感じる度合いを大きくするのです。

 

それが怒りの感情になると、

どんどん増殖するというのが人間の特性です。

 

ということは、

同じ「リノベーション」でも、

その辺のことをよく理解した経験ある設計者、工事業者を

選定することが重要だということでもあります。

 

それから、リノベ後をみんなに見てもらう…

これも大事です。

 

で、それは、リノベ業者が、

自社の宣伝のための公開…というのでなく、

 

居住者本人が、マンション内の皆さんをご招待する…

ということが一番です。

 

そこで、このマンションに対する愛情や、

リノベ後の快適性、リノベの進め方等

気軽におしゃべりできれば、

 

近隣の理解も進み、

自分もやってみたいという思いも膨らみます。

 

自分もいずれリノベをするというイメージが持てれば、

お互い様の気持ちも育ちます。

 

ただ、

このマンションは、経済的に恵まれている方が多く

自分もリノベしたいという思いに素直につながったようですが、

 

マンションによっては、

やりたくても、経済的に不安で無理…

もう高齢でとてもそんなエネルギーがない…

という方が多いということもあるでしょう。

 

まわりがどんどん新しくなっていくのに、

自分のところは古いまま。

なのに、いつもどこかが工事中で、騒音に悩まされる。

 

という方への気配りをどうしたらいいかは

また別の問題として考える必要があると思います。

 

 

明日は、3つ目、4つ目

まさに管理組合の役割のど真ん中、

耐震改修、共用部分の設備更新と「リノベーション」の関係を

考えてみたいと思います。

 

 

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