総会決議を理事会で反故にできるか? | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
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こんにちは! 廣田信子です。

総会で決議されたことを次の理事会が反故にすることによる
もめごとが多いです。

これはものすごく感情がこじれて尾を引きます。

事情はどうあれ、総会に議案を提出した前理事会で、
それについて時間をかけて検討してきた前理事にとっては、
自分が否定されたような気持ちになるのも当然です。

で、もちろん、
言うまでもなく総会決議を
理事会で簡単に反故にはできないのが原則です。

それなりの事情があって、総会決議の内容を実行しない場合は、
総会決議の重さを理解した上で、前理事の感情も考え、
丁寧な対応が必要なのです。

と同時に、総会に議案を提出するときは、
理事会内だけでなく、居住者にもリサーチして、
多くの人に理解され、賛同を得られるレベルのものにすべきで、

役員が変わったら簡単に反故にされてしまうような合意形成レベルで
総会に掛けるのは好ましくないということでもあります。

このことは、繰り返しブログにも書き、
セミナーでも一番力を入れて話していますが…

一番難しいことでもあると、トラブル相談を受ける度に感じます。


ブログの読者の方から寄せられた相談で、
総会決議を実行するという理事の誠実義務が
あまりに軽んじられていると感じたケースがありましたので
シェアしたいと思います。

前期の理事として、ある分野の担当理事として対策を立案し、
理事会で審議ののち総会の事業計画に入れ、予算案にも入れた…

これで、来期から対策がとられると安心していたところ、

今期の担当理事の考え方が違ったため、
総会で決めたその対策を実施しないと理事会で決まったというのです。

それはおかしいと抗議しても、
管理会社も新理事会も、

その対策は、担当理事から前期理事会に報告があっただけで、
理事会で審議し正式に決議されていないので、

総会で承認されたからと言って
新しい理事会が実行しなければならない訳ではない

といっているが、
総会で決議されたものを、
理事会で審議していないという理由で反故にしていいのか…

というものです。


総会決議より、理事会の方が重い???
なんか、不思議な理屈ですが、けっこうあるんです。


下記が、これに対して私がお返事した内容です。
ちょっと、真面目な内容ですが、たまには…

………………………………………………………

こんにちは。

来期の事業計画、予算、その他総会提出議案は、
理事会決議を経なければならない事項です。(標準管理規約第54条)

ですから、
総会の議案として提出された事業計画、予算が、
理事会で承認されていないというというのは、
理屈が通りません。

組合員は、総会議案は当然、
理事会で承認された上で提案されたものと思って、
総会で審議し決議するのですから。

そして、その総会で決議されたされたことについては、
役員は、誠実にその義務を果たさなければならない
(標準管理規約第37条)のですから、
総会で決まったことを理事会で安易に実施しないと決めることはできません。

堅く言えば、
実施しないなら、そう判断した理由を明確にして説明責任を果たした上で、
臨時総会で決議するべきことです。

もし、一般の事業計画、予算に入れたと言うだけでなく、
別に、第●号議案 ●●事業実施の件 と議案を立てて、

詳細な計画、予算、実施時期等を示した上で決議していた場合は、
かならす、この手続きが必要だと思われます。

しかし、一応、総会の事業計画、予算に急いで入れたけど、
理事会での審議時間が無く、詳細についてはまだ詰まっておらず、
予算も概算でとっておいたというような場合もあります。

その場合は、次期理事会で検討した結果、合理的な理由があり
内容が変更になったり、場合によっては見送られることもあり得ます。

理事会だより等で実施しない理由をきちんと説明し、
組合員から異論がなければ、

臨時総会までは開かず、次の総会の事業報告の中で説明し
承認をもらうというような運営は許容の範囲内だと考えます。

ポイントは、実施しないことに合理的な理由があること、
それを組合員が納得していることです。

今回、少なくても貴殿は納得していないのですから、
適切な対応とは思いません。

ただ、どのような対策だったのかわかりませんが、
こうなるには、総会前の理事会での審議が
足りなかったこともあるのではないでしょうか。

まずは、実施しない理由を確認され、
何か実施するのに課題があるようなら
それを解決する方法を検討した上で、
改めて理事会での審議を求める方法もあると思います。

ぜひ前半の規約の解釈論だけで、
理事会や管理会社に迫るのではなく、

課題を解決していくにはどうしたらいいかという視点で、
この回答を参考にしていただければと思います。

いつも私のブログを読んでくださっているのでしたら、
きっとご理解いただけるものと思います。

………………………………………………………


さて、思いは通じたでしょうか。

この方が、自分の正しさを主張しても、
きっと相手にされなかった悔しさだけが残ると思うので、
むずかしいです。

総会で承認されたにも関わらす、
次の理事会が簡単にそれを反故にするというのは、
大きなトラブルのもとです。

総会は、区分所有法第3条で明記した、
管理組合の唯一の決議機関なのですから。

だから、安易に総会決議をしてはいけないのです。

しかし、この話は、ものすごく奥深い問題をはらんでいます。

この続きは、来週!

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