相変わらず酷暑のキャンプ村の朝です。軽装でキャンプ村を歩けるのは今日が最後なので、写真に撮っておきました。
今日は再びローマ市内の観光です。8日の時と同じように1日乗車券(7€)を2枚買いました。ローマ観光2日目のテーマは遺跡巡りです。
バスから地下鉄に乗り換えるとき、開店間もないお店でトマトを買って食べてみました。中くらいのサイズ3つで50セント(60円)でした。色は赤いけれど、ちょっと堅めでした。
【サン・ジョバンニ駅】
中学生の時に習ったアッピア街道の始点に立ってみようと思い、まず地下鉄のサン・ジョバンニ駅へ行きました。
アッピア街道へは、ここから218番のバスに乗れば行けるのですが、そのバス乗り場の所にはトラムの線路もありました。だったらテルミニ駅からここまでは、地下鉄ではなくトラムでも来られたのです。この付近は古代の遺跡がたくさんあるのですから、地下鉄の利用なんて意味がありません。
218番のバス乗り場は、地下鉄駅名にもなっているサン・ジョバンニ教会の前にありました。
【ドイツの高校生】
バスが来るのを待っていると、高校生の団体がやってきました。これで車内混雑は必至です。「あ~~~ぁ」と思いつつ乗り込んだら、日本語を話せる女の子が隣に居ました。
話してみると、ドイツから来た修学旅行生だったことが分かりました。その女の子は、日本に留学したことがあり、ホストファミリーにも大切にされたらしく、日本が大好きなり、その後も日本語の勉強を続け、とても上手になったようです。安芸の宮島や白川郷など主な所には行っていたようです。「日本の山梨から来ました」と言ったら「富士山のあるところ」ということで、すぐに分かったようです。
「ヘルマン・ヘッセの小説は読みましたか?」と聞いたら、読んでないようでした。日本の若者と同様に、ドイツの若者も自国の作家の作品を読まなくなっているのでしょう。
20分ほど話したところで、全員降りることになりました。互いに「旅を楽しんでね」と言葉を交わしてお別れです。
【カタコウム】
カタコウムとは、迫害から逃れるために作られた「地下のお墓」です。
団体にバスから押し出されるような状態で来ることになりました。
団体学生さんの混雑から離れるために、すぐに墓所には行かず、しばらく庭園のようになっている付近を散策しました。花や木の方が好きなお母さんにとっては、願ったり叶ったりです。
湾曲した形状の建物で、10€の入場券を2枚購入しました。
すぐに入場できるのかと思ったら、国ごとに並んで待たされました。それぞれの言語で説明する牧師さんを手配するためだったのですが、後から来た団体を先に入れて待たされている最中は、その理由が分らなかったので、「もしや差別?」と思ったりもしました。
係員は「コリアン?」と聞いたので、「ジャパニーズ」と答えました。「コリアンには知人がいるけれど、日本人は知らない」と言いました。韓国にはキリスト教徒が多いので、ここを訪れる韓国人も少なからずいることでしょう。でも日本人の観光客でここに来る人は殆どいないはずです。
こちらとしても、アッピア街道目当てだったのに、たまたまここに来てしまったというだけです。
待つのが嫌だったので、英語ガイドのグループに入ってゲートをくぐりました。地上での説明があった後、地下墓所に入ります。ここから先は撮影禁止なので写真がありません。
フィリピン人神父ガイドさんの説明で頻繁に耳に入ったのは「パーシキュート(迫害)」という単語でした。
地下は4層ほどの構造になっていました。地下の岩に触れて匂いを嗅いだら、鼻を衝くにおいがした部屋がありました。明かり取りの蝋燭の成分がしみ込んでいたのかもしれません。
お母さんは車椅子だったので、ガイドの神父さんは、常にお母さんを気遣い、近くに置いてくれました。
地上に出てきて思ったのは、「地下は涼しくて気持ちよかった」ということ。墓所なのですが、嫌な気が充満しているということはありませんでした。
予定外の観光でしたが、不正解ではありませんでした。
バス停に戻ると、また高校生の団体がいました。窮屈なバスはこりごりなので、あえて駅に戻るのとは反対の方向に向かうバスに乗りました。アッピア街道を走る期待があったからです。ところが、218番路線の終点までいっても、すべてアスファルトの舗装道路でした。
なので、そのまま折り返して駅まで帰ってきましたが、途中で、盆栽庭園や、HONDAのイタリア工場や、昔ながらの民家らしきものや、古代の城壁を見ることができました。
【テルミニからトラムでコロッセオへ】
テルミニ駅からトラムを乗り継ぎ、古代遺跡の数々を見ながら、コロッセオに向かいます。
テルミニ駅近くのトラム利用者には、南米系の人びとが多かったようです。日本で言えば下町的な雰囲気がありました。
コロッセオに隣接するコンスタンティヌス凱旋門の側から入ったのですが、こちら側にコロッセオへの入り口はありませんでした。
入るためには、コロッセオを半周しなければなしません。地下鉄のコロッセオ駅を利用していたら、最初から入り口の前に出ます。
で、入場券を買うまでにまだ30分もかかりました。観光客が非常に多いこともありますが、「もっとマシな運営をしてよ!」と思いつつ待っていました。
入ってすぐ、40段ほどの階段を上ります。手摺があったので、この程度ならお母さんも何とか大丈夫。風が通って涼しかったのが幸いでした。
コロッセオは、古代ローマの競技場で、5セントのユーロ硬貨に描かれているほどの世界的に有名な古代遺跡なのですが、まあ、学校の世界史で習う中学生あたりが来たら自慢出来ていい所なのでしょう。
その他でいいことと言ったら、デジカメのパノラマ機能を使った場合、綺麗に撮れることくらいです。
貢一は30年前にもここに来ていますが、前回も今回も、特段の思いはありませんでした。
【パラティーノの丘】
コロッセオに隣接してあるパラティーノの丘を巡ってみました。コロッセオの入場券で入れるのですが、ほとんどの観光客はここに行かないようです。崩壊しかかった遺跡だけですから。
丘の最も高い所には、小さな博物館があり、ローマの遺跡を舞台にしたストーリー仕立ての映像をみることができました。
ローマの歴史に興味がある人は、ガイドさんを頼んで巡ればいいでしょう。
帰りに落書きみたいな車体デザインの地下鉄電車に乗りました。
コルネリア駅からキャンプ村に帰る路線バスの途中、日差しがよかったので、何度も通った見慣れた風景を写真に収めておきました。
キャンプ村の隣にあるスーパーでメロンなどあれこれを買いました。それらで夕食です。
このスーパーは、あたかもキャンプ村のために造られているかのような立地です。スーパーのカートにたくさん買い込んで、そのカートのまま、スロープの歩道橋を渡って自分のバンガローまで運んでいるキャンプ村利用者を何人も見かけました。
明日の帰国に備えて、スーツケースを整理しておきました。
今日は、ここまでです。
イタリアの旅 (その7) へ続く