■ 8日目:7月14日 
 目覚めると早速にエサがでてきます。アジア方面以外へ向かう長距離飛行機は体を動かすことなく、すぐにエサが出てきますから、さながらブロイラー生活です。
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 北京空港に着陸する前に、「乗り継ぎ時間が短いので、(先に飛行機を降りることができるように)ビジネスクラス席に移動してください」とCA(キャビン・アテンダント)さんに言われました。
 おかげで広いビジネスクラス席から、空港周辺の北京の様子や、着陸の様子を良く見ることができました。
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 ちなみに、ビジネスクラスは12席あり、埋まっていたのは5席だけでした。

 

【北京空港】
 ところが、着陸して人間が先に出ても、肝心の車椅子が出てきたのは、エコノミークラスの乗客全てがバスに乗り込んだ後でした。ちょっと間抜けな光景です。
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 ガラガラの2連バスに移動サービス・スタッフ2人と共に4人が乗って、ターミナルに向かいました。次いでターミナル内のかなりな距離を歩き回ります。
 この時の移動サービス・スタッフは女性でしたが、来る時の男性と同じように「チップをください」と言いました。中国人は実にはっきりしています。
 羽田行き便の搭乗口を出て、再びバスで飛行機の下まで行き、タラップを上るまでちゃんとお母さんを支えてくれました。
 渡したチップは5€程でしたが、中国の貨幣価値からいえば十分でしょう。
 最初から乗り継ぎ時間は1時間半程でしたが、イタリアを飛び立った時点で30分ほど遅れていましたから、実質的な乗り継ぎ時間は1時間程しかなかったはずです。ですから、車椅子用乗継ぎサービス・スタッフが同行してくれたことは、心理的にも大いに助かりました。
 飛行機に乗り込み座席に座ると、数分後に飛行機は動き始めました。
 また、この時の二人の指定座席はかなり後方だったのですが、お母さんの足を考慮してか、空いていたエコノミークラスの最前列席に二人を座らせてくれました。
 中国国際航空のスタッフの皆さん、ありがとうございました。

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【羽田空港】

 着陸のために高度を下げてゆくと、窓に雨粒が当たり出しました。羽田空港は土砂降り状態でした。イタリアで連日酷暑の晴天に晒され続けていたので、そんな雨ですら心地よく感じたほどでした。
 空港を出ると、幸い待ち時間なしで「つばさパーキング」の送迎車が来てくれました。
 家に着いたのは、日付が変わった24時15分でした。
 お母さんと一緒の旅でしたから、2人で5300円程の旅行保険に加入して行ったのですが、それのお世話になることなく、無事に帰ってこられて何よりでした。

 

【旅を終えて】
 イタリアの旅を終わって、今一番印象に残っていることは、風景とすれば何といってもヴェネティアですが、その他では、車椅子の人を助けようとしてくれた人々が、非常に多かったことです。日本人にはそれほどない、“障害者を助けようとする精神性”がヨーロッパの人々には普通にあります。
 また、空港の利用に際しても、車椅子利用者の移動サービスが、どの空港でも基本として用意されていることを、今回初めて知ることができました。障害者でなくても、長距離を歩くことができないお母さんのような人でも、空港の移動サービスは提供されます。
 車椅子は折りたたんだ時のサイズが既定の大きさ以内であれば、預け荷物として飛行機で運んでくれますし、空港内の移動サービスは提供してくれるのですから、家に引きこもってばかりいるより、時には飛行機で飛び立つほうが、心身のためにいいでしょう。

 

【この旅の費用 (1€=116円で計算) 】
飛行機代       136400 (DeNA利用)
ホテル代        24613 ( 同上 )
長距離バス代      8642 (74.5€ megabus.com 利用)
電車代          4617 (39.8€ TRENITALIA 利用)
現地で使った額    60000 (交通費、食費、入館料など)
羽田パーキング    8000 (つばさパーキング利用)
国内ガソリン代     3000
旅行保険         5290
パスポート申請    16000  (お母さん)
《合計》        266562円
 
以上で、この旅の報告を終わります。 
 
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