きょうは、81回目の終戦の日。
太平洋戦争終結の日に、平和への想いを新たにする日だが、世界中で戦火の絶え間はない。
サヘル・ローズさんは、1985年、イラン西部の小さな町で生まれた。「イラン・イラク戦争」で、戦災孤児となり、孤児院で暮らした経験を持つ。
8歳のときに養母とともに来日。「イラン人はいらん」と言われ、差別も、貧困も、いじめも経験した。
その後、女優となってからも、平和を訴え、恵まれない子どもの支援活動を続けている。その活動が、映画『花束』となって結実した。
サヘルは、今も、世界で起きている戦争が生み出す「負の連鎖」に心を痛めている。母国イランの現状を省みて、ことさら憂いは深まる。
去年6月、イスラエルとアメリカ軍が、イランに先制攻撃をおこなった「12日間戦争」があった。
今年になって、アメリカとイスラエルがイランへの大規模な軍事攻撃を行い、イランはその報復措置として、アメリカと同盟関係にある湾岸諸国を攻撃して、原油や天然ガスの輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖。
4月に「一時停戦」が発表されたが、その後の和平交渉は、不透明な情勢が続いている。
アメリカからのニュースは入ってくるが、イランからのニュースが少ないので、現状を聞いてみた。
サヘルは口を開くと、一気呵成に語った。
開口一番「イランでは、日常が薄まっている」と表現した。
そして、「日常の中に戦場がある。戦争で得た平和はない」と断言した。
だが、サヘルの中に裏腹な想いがよぎる。それが「このたびの戦争は、待ち望んでいた」と思いもよらぬ発言になる。
真意はこうだ。
「イランでは積年の思いである民主革命がなし得られていない。
反政府活動と見なされ、多くの国民が刑務所送りとなり、年端もいかない少年たちが死刑台に送られている。デモで亡くなった人は4万人を超える。同胞が同胞を銃で打ち抜くというイラン国内の分断をなくすには、イスラエルもアメリカも嫌だけど、外の力が必要だった」
そう語るサヘルには、憤りを通り越したもどかしさを感じた。
サヘル・ローズの真摯な想いを聞いてほしい。
文化放送「日曜はがんばらない」のHPアーカイブから。
