朝日新聞(8月5日付)に興味深いデータが掲載されていた。
朝日新聞のデータ分析チームが、歴代首相の就任後最初の新年度予算審議における答弁を分析したものだ。
答弁は国会会議録検索システムで今年7月15日時点のデータを利用した。言語処理ツールを使って文章を単語に分割し、それぞれの首相に特徴的に出現する単語やフレーズを調べた。
特徴は、単なる出現回数の多さではなく、ある首相が他の首相と比べてどれだけ、その単語(フレーズ)を際立って使っているかを計算した。
「反省点というのは特にございません」。
高市早苗首相は7月27日の記者会見で、特別国会の「反省点」を問われ、表情を変えずにこう語った。
首相の答弁を分析すると、「言い切り型」の傾向が浮かんだ。
断言は自信や根拠があると思わせ、聞く側の期待感や信頼感につながることがある。一方、高圧的、柔軟性がないと受け取られ、欠点とみなされてしまうこともある。
首相の発信にはもう一つの特徴がある。
6月22日、衆院予算委員会で首相は「たくさんの資料を持ち帰り、時にはペン入れをして直しながら、金曜日の夜から今朝までほとんど睡眠も取っていません」と日常を明かした。
会話には、プライベートな話題に触れて共感性を重視する「ラポート・トーク」と、事実や論理を重視する「リポート・トーク」がある。この分類に沿えば、首相は「ラポート・トーク」寄りとなる。
高市早苗首相の国会答弁を分析すると、一文が短い傾向がある。
「高市内閣」や「国会でお決めいただく」といったフレーズを多用している。
第2次政権の安倍晋三、菅義偉、岸田文雄、石破茂の各首相を対象に、就任後初めての予算委員会で比べた。
高市首相が発した一文あたりの文字数は平均で67字。
最も短かった菅氏の66字とほぼ同じだった。
逆に長かったのは、「いわば」「思うわけでございます」などのフレーズが目立った安倍氏で88字だった。
高市氏は特に「国会でお決めいただく」という言い回しが際立ち、計18回あった。ほかの首相では見られなかった。
もう一つの特徴は、自ら「高市内閣」と称する言い回しが多かったことだ。特別国会の新年度予算審議では約30回にわたって言及した。この点について、高市首相と同じ傾向を示したのは安倍氏だった。「安倍内閣」「安倍政権」という自称は計150回前後あった。
石破茂氏は、「丁寧型」。一つの発言が長い。「私どもとして」「いかにして」「おるところでございます」が慣用句。
岸田文雄氏は、「格式型」。「認識いたします」「いきたいと考えます」が慣用句。
菅義偉氏は「短文型」。「いずれにせよ」「じゃないでしょうか」
「そういう中で」が慣用句。
安部晋三氏は「論述型」。「思うわけでございます」「考えているところでございます」が慣用句。
