寺子屋は閑話休題。
最近、阿川さんは、「老人」をテーマに執筆することが多いようだ。「寄る年波」と愉快に付き合う様子が微笑ましい。
最新刊『年とる力』から。
●高齢者初心者気分で乗り越えていこう!
初心者なんだから、諦観(ていかん)し達観しなくていい。
すべてを悟ったごとく冷静に受け止めなくていい。
身に降りかかったことを第三者目線で観察。
老人になってみないとわからないことがいっぱい。
よかれと思うことがいいとは限らない。風呂に入って死ぬ老人はいても、入らないで死ぬ老人はいない。
77歳の瀬川瑛子さん、見た目は若いが、あちこち不調をきたしている。「何しろ、年を取るのは初めてだから」と恬淡としている。
周囲への負担を出来る限り小さくし、最期の瞬間の直前までピンピンしていたい。母のように明るく元気な認知症患者を目指したい。
食べたいものは食べて、合間にちょこっと粗食。
健康法と言えば「体重計に乗ること」だ。一日平均五回は体重計に乗り、一喜一憂している。
「なんとかなる」「なるようにしかならない」「そのうち忘れる」をミックスしてシャッフルしている。
目指せ!若者に好かれるばあさん。年下の友達ダイジ。
『老人初心者の覚悟』から。
50歳代は、10年にわたる更年期障害に苦しんだ。
ホットフラッシュ、情緒不安定。そこへ親の介護。
ただ、51歳で始めたゴルフが佳き気晴らしになり、人脈も広げることが出来た。
だが、ヒタヒタ老化現象が押し寄せている。
毛髪ボリューム問題、頬垂れ問題、腹部浮き輪現象、手の甲縮緬現象、まぶたの垂れ、むくみ現象…。どこもかしこも平等にシワシワになるのが健全なる老化。
身体の老化とは、「しょぼくれた風船状態」になることだ。
だが、しかし老化とは順応することでもある。
父の引き際を思う。90歳前で断筆したが、94歳で亡くなる直前まで、読書に麻雀にいそしみ、食欲旺盛、毒舌健在であった。
そして、阿川さんは、「文句と憂いと腹立ちと郷愁の呟き」が倍増した。



