年を取るのは初めてだから | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

寺子屋は閑話休題。

最近、阿川さんは、「老人」をテーマに執筆することが多いようだ。「寄る年波」と愉快に付き合う様子が微笑ましい。

 

最新刊『年とる力』から。

高齢者初心者気分で乗り越えていこう!

初心者なんだから、諦観(ていかん)し達観しなくていい。

すべてを悟ったごとく冷静に受け止めなくていい。

身に降りかかったことを第三者目線で観察。

老人になってみないとわからないことがいっぱい。

よかれと思うことがいいとは限らない。風呂に入って死ぬ老人はいても、入らないで死ぬ老人はいない。

77歳の瀬川瑛子さん、見た目は若いが、あちこち不調をきたしている。「何しろ、年を取るのは初めてだから」と恬淡としている。

 

周囲への負担を出来る限り小さくし、最期の瞬間の直前までピンピンしていたい。母のように明るく元気な認知症患者を目指したい。

食べたいものは食べて、合間にちょこっと粗食。

健康法と言えば「体重計に乗ること」だ。一日平均五回は体重計に乗り、一喜一憂している。

「なんとかなる」「なるようにしかならない」「そのうち忘れる」をミックスしてシャッフルしている。

目指せ!若者に好かれるばあさん。年下の友達ダイジ。

 

『老人初心者の覚悟』から。

50歳代は、10年にわたる更年期障害に苦しんだ。

ホットフラッシュ、情緒不安定。そこへ親の介護。

ただ、51歳で始めたゴルフが佳き気晴らしになり、人脈も広げることが出来た。

だが、ヒタヒタ老化現象が押し寄せている。

毛髪ボリューム問題、頬垂れ問題、腹部浮き輪現象、手の甲縮緬現象、まぶたの垂れ、むくみ現象…。どこもかしこも平等にシワシワになるのが健全なる老化。

身体の老化とは、「しょぼくれた風船状態」になることだ。

だが、しかし老化とは順応することでもある

父の引き際を思う。90歳前で断筆したが、94歳で亡くなる直前まで、読書に麻雀にいそしみ、食欲旺盛、毒舌健在であった。

そして、阿川さんは、「文句と憂いと腹立ちと郷愁の呟き」が倍増した。