貴景勝から湊川へ | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

元大関の貴景勝がマゲと別れる瞬間を目に焼き付けてきた。

「貴景勝引退湊川襲名披露大相撲」が両国の国技館で開かれた。 幕内優勝4度を誇る元大関貴景勝の晴れ姿を一目見ようという人たちで、国技館は満員御礼。

 

およそ300人が、貴景勝のマゲにハサミを入れた。

横綱や大関、母校の埼玉栄高校の関係者、両親、妻が、万感の想いで、ハサミを入れたあと、最後は師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)が止めばさみを入れた。その瞬間、館内から飛んだ「貴景勝~!」のかけ声の中、それまで一点をみつめ表情を変えなかった貴景勝が、感極まった表情を浮かべたように見えた。ボクももらい泣きした。

そして、「ちょんまげに誇りを持っていたので、マゲを落としたことで力士と決別することができました。私は横綱になることだけが夢でした。ですが、横綱になることはできませんでした。これは家族と誓った夢でもあり、自分と約束した夢でもありました。ですが、後悔はないので、スッキリしてこの場を迎えられ、ありがとうございます」と挨拶した。 

「現役の頃は節制したことが多かったので、好きなものをいっぱい食べたい、相撲のことを考えずぐっすり眠りたい、お酒を次の日のパフォーマンスを考えずいっぱいのみたい、というのがありました。でも、その欲求は、引退して一週間で落ち着きました」

「それは本当の喜び、幸せを現役の頃に味わえたからです。優勝できた時の家族の顔、パレードカーに乗って皆さまに手を振っていただいたこと、国技館で皆さまと一緒に国歌を斉唱できたこと、全て胸に刻まれています。それが本当の喜びだ、と引退した今、改めて気付きました。長い間、貴景勝を育て、支えていただき、本当にありがとうございました」と締めくくった。  

最後に有希奈夫人から、長男と一緒に、土俵脇で花束を手渡された。夫人は、第2子を今月中旬に出産予定だそうだ。

 

12月5日、大人の寺子屋~次世代継承塾に湊川親方をお招きする。親方の武士道精神を聴くのが、今から楽しみでならない。

 

師匠の常盤山親方が止めバサミ

有希奈夫人と