高橋麻美さんに初めて会ったのは、8年前の2017年。
ボクは、その時の印象をこんなふうに書いている。
「見た目は20代、声だけだと10代に聞こえる。
高校3年生を筆頭に子どもが3人いるようには見えない。
しかも、その子どもたちと自由に会えない境遇とはわからない。
折りに触れて、よく笑う。その笑い声がスタジオに心地よく響く。何事もなかったかのように…」
京都精華大学卒業後、ほどなく「できちゃった婚」。
「絵画工作アトリエ」の看板を掲げた。母親を対象に、アロマやヨーガも教え始めた。自然農法にも目覚めた。
しかし、生き生きとしていく妻を見て、夫の心が離れていった。
子どもは引き取るから、自由にしたらと突き放された。
あらゆる手段で、子どもたちと引き離された。そして離婚。
失意の中で、丹波で自然農法に取り組める場を見つけた。
農園では、大麦、小麦、押し麦の栽培を続けている。
その後、再婚。新たに子を授かり4人の子の母になった。
26歳、23歳、19歳、6歳と、それぞれ成長した。
新たなパートナーは「風来坊」だった。
時々、いや定期的?にいなくなる。
和歌山で桃農家になりたいと出ていったが、いつのまにか
国政選挙に出馬して落選していた。
互いに束縛せず自由になろうと離婚したが、時々丹波に舞い戻り「同居人」となっている。
そうこうするうちに、去年、麻美さんは丹波市市議会議員選挙に立候補。1711票を獲得し、9位で当選を果たした。
これにはボクも少なからず驚いた。「議員」という職業は、麻美さんと程遠いような気がしたからだ。
だが、議員色に染まらないようにしながら、孤軍奮闘しているようだ。「ご先祖さまの残してくださった山や田畑、受け継がれてきた技術や伝統を守り、次の世代に引き継いでいきたい」という思いで議員になった。
そのためにも、いまの時代感覚で読み解く「温故知新の視点」「集落の視点」「女性の視点」などを市政に反映し、住みやすい社会の実現に取り組み所存だ。
農地の減少を食い止め、子どもがのびのび出来るよう母の声をあげていく麻美さんに期待している。
麻美さんの身の上には、この8年の間に大きな変化はあったが、
一つだけ変わっていないこと。
それは、カンラカラカラと笑う声だった。
その笑い声を聞いているだけで、いい気持ちになる。
彼女を応援したくなる。
高橋麻美さん出演の「たんば女性STORY」は
3月11日、18日、25日、4月1日20:00~、
その週の土日10:00~、FM805で放送予定。
鎌倉FMでは、その週の木曜日13:30~。
話が膨らみ膨らみ4回にわたってお届けする。