落語のことばに学ぶさじかげん | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

世田谷うめとぴあでの「ことば磨き塾」。

4回目のゲストには、落語家・柳家花緑さんを迎えた。

定員の150人を上回る180人の応募があったとかで、

大入り満員の大盛況。

 

まずは、花緑さんの高座から。

「紺屋高尾」の一席。

染物職人の久蔵が吉原の高尾太夫に惚れ込んだ。

荒唐無稽な話ながら、久蔵の夢を叶えるために、周囲が手を貸して、

高尾太夫も絆されてしまうという人情噺。

知らん顔をせずに、他人の夢物語に参加する江戸人の人情。

考えてみれば、さじかげんなんかせずに、利害や損得に抜きの

人間関係は「粋」そのものと言える。

落語には、江戸人の心意気がいっぱいだ。

言い訳を捏ねる屁理屈や大家さんの小言ですら、笑いになる。

どんなことも笑いに変えてしまうのが、さじかげんと言えるかも。

 

落語のあとのアフタートーク。

花緑さんとは、打ち合わせなしで臨んだ。

ノープランノーアイデアながら、根っこで同じ価値観を共有するものがあるから、気が楽だ。

トークの締めくくりは、小林正観さんの「有難う」の話で大いに盛り上がった。

みなさんの感想から。

●沈んでいた気持ちがスーッとした。有難う!

●このところ暗い情報が多く笑いが乏しかったが、おかげさまで楽しい気持ちになれた。

●とても楽しい時間でした!何時間でも聴いていられると思えた。

●とても楽しみにしてきましたが、想像以上でした。着物で来ればよかったと思うほどでした。

●介護の気分転換になった。

●「紺屋高尾」初めて聞きましたが、感動して涙が出ました。

●落語のさじかげん、話術の手本となる。

●初めての落語、とても面白かった。実に奥深い。

●花緑さんの知識の多さに拍手!

●私より遥かにお若い花緑さんから、たくさん教わった。「有難う」を出来るだけ多く言います。

●日々感謝の気持ちで過ごします。気持ちが軽く明るくなりました。

●花魁の言葉が、出身を隠すためだと知り腑に落ちた。単なる業界用語でないことに歴史の深みを感じた。

●歯切れのいい花緑さん、自然体の村上さん。お二人の対話は絶妙で、時間が短く感じられた。

●2人の言葉から、自分に何をどう活かすかを考える、とても価値ある時だった。自分の中にあった漠然とした概念が「やはりそうなんだ!」と確信出来た。

●村上さんが、ことばに精通しているゲストを呼び、知識を与えてくださるので、毎回楽しみにしています。

●ことばに危機感を持つ中、村上さんのことば磨き塾は、わらにもすがる思いが引き寄せた出会いでした。

●今回初参加。これから絶対忘れずに楽しみにしていきたい。