バリアフリーな集い | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

3人で集うのは、十数年ぶりではないだろうか…。

バリアフリーカンパニー社長の中沢信さん、聴覚障害者としてユニバーサルな社会のため奔走する松森果林さん。

中沢さんとは、15年くらい前に、とある結婚披露宴で同席して知り合い、NHKラジオのレギュラーになっていただいた。

松森さんも、NHKラジオのゲストで来ていただいて以来、食事を共にするなど親しくしている。

3人で集うのは、2回目だ。このたびは、中沢さんが会員になっている麻布台ヒルズの33階にあるレストランに集った。

 

中沢さんは、生まれながらにして重度の障害(希少難病のベスレムミオパチー〈筋肉疾患〉)がある。

普通校に学び、民間企業でサラリーマンとして15年間勤務するかたわら、障害のある方のためのボランティア活動をはじめ、さまざまな 障害のある方や、高齢の方々への外出支援プログラムの提供をしてきた。

その中で、単なる一障害者としてだけでなく、社会への一員としての責任ある立場から「プロとしてのアドバイス」が、社会のあらゆる分野で必要とされていることを実感した。

2005年に脳内出血によって右半身麻痺となり車いす生活になったことで、それまで以上に、障害のある方や高齢者の立場を深く理解できるようになり、同時に、介護保険をはじめとする社会保険制度の問題、介護業界の置かれている状況について身をもって検証する機会も得た。こうした経験、また自らの日々の生活経験を生かし、すべての人が安全で快適な生活を送れるよう、尽力している。

 

松森さんは、小学4年で右耳を失聴、17歳で左耳も聴力を失った。
筑波技術短期大学デザイン学科在学中にTDLのバリアフリー研究をしたことがきっかけで「ユニバーサルデザイン」が人生のテーマとなる。(株)オリエンタルランドなどを経て独立。

聞こえる世界、聞こえない世界両方を知る立場から、ユニバーサルデザイン普及のためのアドバイス、大学講師、講演、執筆等を行っている。
香りマーケティング協会顧問や、東京国際空港国際線旅客ターミナルビルユニバーサルデザイン検討委員も務める。

テレビCMに字幕をつけるよう長年提唱し、実現に向けて取り組んだり、地域に手話を広めるため「井戸端手話の会」を主宰する。バリアフリーカンパニーのフェローの一人でもある。

 

2人のサポーターも交えて5人の集いとなったが、みんなハートのバリアもない人たちばかりで、話が弾んだ。

2人に共通しているのは、明るさ。

中沢さんは命の瀬戸際に直面していても、命ある限り社会を変えるために頑張っている。

中途失聴で絶望した時期もあったが、やはりバリアをなくすため頑張っている。

2人は、微塵も暗いところがない。明るくユーモアもあり、

フレンドリー。だから2人には、サポーターが自然に集まってくる。

 

左端は、中沢さんのサポーター星野友美さん

右端は、松森さんのサポーター与田佐知さん