いきなり書き出しは、
「この本があなたの運命を変えるかもしれません」と始まる。
著者の児玉光雄さんが分析した大谷翔平選手の思考・行動パターンをヒントにしたこの本を読んで、大きな夢に向かって行動したら、人生に奇跡が起こるかもしれない。
児玉光雄さんは、追手門学院大学で特別顧問をつとめ、さまざまなアスリートをスポーツ心理学の視点で分析してきた。
著者がサンプリングした2000を超える大谷選手の言葉から、パフォーマンス心理学に照準を当て、「なぜ大谷選手は超一流のメジャーリーガーになり得たか」を解説するとともに、ビジネスシーンなどさまざま局面で役立つヒントが数多く紹介されている。
2024年の大谷選手は、話題に事欠かなかった。
ドジャースへの移籍、シーズン開始早々のスキャンダル、それをもろともしない大活躍、50-50を始めとした金字塔の数々、ワールドシリーズ制覇、肩の脱臼というアクシデント、結婚…。
相当の精神力、集中力がないと為しえないことばかり。
そして、何より、ポジティブシンキングがないと出来ない。
ただ「ポジティブシンキング」とは、物事の良い面だけを見て楽観的になることではない。「物事をありのままに受け止めて、それをより良くするために全身全霊をかけてベストを尽くすこと」だ。
大谷選手は、「自分が出来る」という自己有能感が半端ない。
自信の量の変動幅が少ない。
スランプや不運な状況に陥ったときこそ、飛躍のヒントが潜んでいると確信している。最高の自分にめぐり合いたいと思いが極めて強い。
練習や試合でのバットの一振り一振り、マウンドから投げるボールの一球一球が、すべて自分を成長させるための実験だと思っている。
何かを掴む瞬間が来るかもしれないと思い、いつもワクワクしながら練習をしている。
存在しない過去や未来に一喜一憂するのは時間の無駄。
「いま」にひたむきになる。「いま」に全力投球する。
一昨日の自分より、昨日の自分より、今日の自分の方は、少しでも進化するために。自分の中に眠っている「スゴイ才能」と出会うために。