常に笑顔の人だった。それも満面の。
宮里こずえさんの人生は、
立ち飲み屋で隣にいた男性によって変わった。
すべてを面白がる性格が、なんなくその変化を受け入れた。
宮里さんは、1986年7月26日、大阪市平野区に生まれた。
小学校の頃、親戚一同、長屋のようなところで暮らしていたそうだ。毎日、いとこたちと外遊びして、行方不明になることもしばしばだった。そういう中で育ったことで、ざっくばらんな性格になったのかもしれない。
中学時代は、硬式テニス部に入部し、真っ黒になりながら3年間部活に励んだ。
高校時代は、軽音学部に入部して、ガールズバンドを組んでライブ活動をして、高校生活を満喫していた。
高3でいよいよヤバいと気づき、必死に勉強し、大阪教育大学の教養学科に入ることが出来た。
華の大学生活は、バイトに明け暮れた。
大阪に本社のあるオプテージという会社に入り、マンション設備に光ファイバーを導入する営業職として働いた。
20代後半になって、ようやく、松屋町で一人暮らしを始めた。それは、家族に遠慮なく、趣味のお酒を楽しむため一人で船場界隈を飲み歩くためでもあった。
馴染みの立ち飲み屋ができた頃、一人の男性と出会う。意気投合し、交際が始まった。彼の家に行くと、そこは、盆栽だらけだった。驚きもしたが、好奇心の方が勝った。
盆栽手入れの手伝いを始め、平日は会社、土日は盆栽の生活になる。
やがて結婚し、長女の出産を機に、子育て環境のことと、本格的に盆栽業拡大を視野に入れ、田舎への移住を考え始めた。
2022年、丹波市に移住が決まる。
移住後、次女を出産、会社も退職し盆栽業に専念することになる。4歳、2歳の子を育てながら、盆栽に向き合う。
夫婦で営む「BONSAI LABO」、盆栽の生産販売、ワークショップ、道具類販売などを一手に担う。
初心者をおいてけぼりにしない盆栽店だ。盆栽に興味を持ったら初めに訪れる店として親しんでもらいたいと考えている。
盆栽は、高齢者の趣味道楽ではなく、総合芸術という。
ただ樹を育てるだけじゃなくて、鉢選びから始まって、飾る場所や季節に合わせた演出まで考える。樹と鉢の相性も大事だし、絵や添え物など一緒に飾るとステキだ。
「盆栽は、観葉植物と思わないで。ペットを飼うのと同じように、水やりを怠らず、大切に育ててほしい」と宮里さんは、このときばかりは、真顔で言った。
夫の宮里凜太郎さんと。
宮里こずえさん出演の「たんば女性STORY」は
11月26日、12月3日20:00~、
その週の土日10:00~、FM805で放送予定。
鎌倉FMでは、その週の木曜日13:30~。