会いたいと思いながら機会がなかった人に会えた。
俳優の中井貴恵さん。絵本に造詣が深い。
絵本談義に花が咲き、楽しかった。
名優、佐田啓二の忘れ形見。弟は中井貴一さん。
1978年、早稲田大学在学中に東宝映画「女王蜂」のヒロインでデビューし数々の新人賞を受賞した。
1983年東映映画「制覇」で日本アカデミー賞助演女優賞受賞。
以後、映画、テレビ、CF等で活躍した。
1987年結婚し、アメリカ、札幌と移り住んだ。
俳優としての露出はほとんどしなくなったが、
自らが企画する絵本朗読会を次々開催している。
1998年「大人と子供のための読みきかせの会」を結成。
仕掛けたっぷりの大型絵本と生の音楽をつけた独特の試みが評判を呼び、幼稚園や小学校、小児病棟などで行われる公演は、既に2000回を数える。
安定感のあるのびやかな声は人々を魅了し、登場人物ごとに使い分けるさまざまな声色で、子どもから大人まで、聴き手をお話の世界に引き込んでいる。
2006年から、新しい表現スタイルとして、朗読と音楽だけによる「音語り」シリーズをスタート。人気絵本『あらしのよるに』を、ジャズピアノとのコラボレーションで上演した。
また孫のように可愛がってくれた小津安二郎監督作品の音語り公演も始めた。『晩春』『秋日和』『東京物語』『お早よう』『秋刀魚の味』『麦秋』6作品の上演をした。
また中井さん自身が作品を厳選し、ゆったりと落ち着いた空間で、大人が絵本の朗読を楽しむ『おとな絵本の朗読会』も始めた。
もともと絵本の世界に惹かれたのは、長女が5歳の時。
当時、夫の転勤で札幌に住んでいた。
自分の幼稚園時代の先生から長女の誕生日に絵本が届いた。
森山京さんの『きつねの子シリーズ つりばしゆらゆら』。
頑張っても出来ないことがあるんだというメッセージは、
子育て奮闘中の肩の荷を下ろしてくれた。
長女といっしょに涙しながら、何度も何度も読んだ。
絵本は、大人にも子どもにも生きるチカラを与えてくれる。
中井貴恵さんには、
11月3日の、富山県射水市の大島絵本館の『いのちの絵本』にゲストで来ていただく。この日は、当日朗読する絵本選び。当日が楽しみだ。